たこわさ

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蟲師 続章 第二話「囀る貝」感想

(以下ネタバレ)

とある漁村を訪れたギンコは、そこで村とは離れて暮らす父娘と出会う。ある日、娘が何気なく耳に当てた貝殻から鳥の囀りが聞こえ、娘は言葉を話す事が出来なくなってしまう。それは貝に潜んでいた蟲の仕業であり、他人の話す声を沢山聞かせれば治るとギンコは語るが、それでも娘を村人と関わらせようとしない父。さらにギンコは、蟲の存在が近々海に災いが起こる事を示していると語るが――。

命の選択を迫られた時、他人と身内とで後者を優先してしまう事は、決して責められる行為ではないが、それでも選ばれず命を落とした方の身内からしてみれば、納得の出来ない、やり場の無い憤りに身を焦がす事になる。相手への憎しみというよりも、むしろ自分自身が何故その場に居合わせなかったのか、という自分の不甲斐なさ故に。
それでも、それを乗り越えて砂吉が網元を赦し歩み寄る事が出来たのは、海に起こった災いからというよりも、娘の将来を憂う親心だったのかもしれず。