たこわさ

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ヒーローとは何なのか――「RATMAN」遂に最終巻!

6年間に渡る長期連載となった本作も遂に最終巻。果たして、修斗は「ヒーローとは何なのか?」という問いに答えを出せたのでしょうか?
(以下ネタバレ感想)
シンの策略によりSの因子を暴走させてしまったラットマン。最早制御のきかない「災害」となってしまった彼を前に、姫崎会長はラットマンを「災害」認定し、全てのヒーロー達にその排除を要請する。だが、ファットマンが、梨緒が、アンカイザーが、その場に集まった全てのヒーロー達はそれでもラットマンを助ける事を決意し、最後の戦いに臨むのだった――。
犬威氏の事ですから下手な終わり方にはしないだろう、と思っていましたが、想像以上の熱い展開にラストまで一心不乱に読みふけってしまいました!
修斗をウジウジしない真っ直ぐな少年のまま終わらせてくれた事が一番嬉しかった! この手のヒーローモノにありがちな、主人公が最後の最後でヘタレて最終的に仲間達の手によって立ち直って……みたいな気の抜けた展開ではなく、暴走状態にあっても修斗修斗のままでミレアを探し続けていた、という所がなんとも説妙な匙加減。
そしてくじけそうになるヒーロー達を鼓舞し、あくまでもラットマンを「助ける」事を宣言したのが、最高の盟友ファットマンだったという所がニクイ!! 他のヒーロー達と比べて能力では劣っていても、決して折れない彼の「ヒーローとしての誇り」もまた、「ヒーローとは何か?」という問いへの答えの一つだったんですよね、一貫して。
また、一緒に戦えるわけでもなく、ただ傍にいることしか出来なかったミレアが最後の最後でヒロインとしての名誉挽回を遂げたのも印象的。正直、ヒロインとしての地力はラットマンと共にヒーローを目指していた梨緒の方があったと思うので(笑)、最後の最後で面目躍如となって本当に良かった。欲を言えばもう少し修斗との恋愛描写を絡めていればなぁ、とは思いますが。*1
最後に修斗が見出した「ヒーローとは何なのか?」という答えと、未来に進むために彼が選んだ道に幸多からん事を!!
本当に素晴らしい作品でした!

*1:ちなみに私は比類なき梨緒派だったのでですが、作中の雰囲気が実に幸せなものだったので特に不満は抱かずにすみましたw