たこわさ

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TARI TARI 最終話「晴れたり 泣いたり あとは時々歌ったり」感想

(以下ネタバレ)
とても良い最終回でした。
それぞれの想いを胸に迎えた白祭の朝。いち早く校門に辿り着いたウィーンが目撃したのは、これでもかという位の厳重な施錠でした。
合唱部の面々が何とか門を乗り越え校内に入ろうという所で、黒幕の理事長が登場! いやいや、面白いくらいに悪役だわ、この人w
そもそも、白浜坂高校の廃校自体はまだ先な訳で、工事の邪魔にならないレベルであれば文化祭を中止する必要はなく、むしろ文化祭で生徒の不満のガス抜きを行った方が物事がスムーズに進むだろうに、何故に理事長がそこまで頑なに文化祭をやらせたがらなかったのか、そこの所が最後まで分りませんでした。というか、この人の言動まんま総会屋の類のやり口なんですが……。
とにかく、聞く耳持たぬ理事長の前に白祭開催は風前の灯かと思われたその時、音叉の涼やかな音色と共に我らがヒーロー校長先生の登場だ! たとえ噛み噛みで何言っているのかよく分らなかったとしても、たとえ即刻首を言い渡されて老後の不安を抱えていたとしても、あの瞬間の校長は確かに輝いていた!w まあ、おいしい所は教頭が全部持っていってしまったんですが……。*1
校長と教頭、協力してくれた家庭科部(?)や美術部や声楽部&吹奏楽部、そしてわざわざ天候の悪い中、白祭を見に来てくれた生徒やお客さん達のおかげでなんとか無事始まった白祭。
歌はともかく、来夏の陳腐なストーリーはどうなんだろう、とか思っていたら、しっかりと彼らの過去・現在・そしてこれからについて謳い上げる台詞ばかりで「ああ、来夏ってちゃんと考えて脚本書けたんだ」と最終回にして大きく私の中で株が上がりましたw
そして締めの大合唱。もう言葉は要らない、を地で行くようなクライマックス!*2
――そして物語は彼らの「その後」へ……。
一度は身を引いた音楽の道へ戻る事を決心した和奏。母の親友であった教頭に助力を仰ぎ奮闘する彼女は、ラストシーンで示唆されているように実家を出て音楽の道を邁進する事でしょう。
いつもマイペースな来夏。彼女は普通に進学したようですが、きっと大学でもその猪突猛進ぶりを発揮してくれる事でしょう。
ウィーンは無事ヤンからの手紙が届き、彼と再会する事が出来ました。何故今まで連絡がなかったのかなど、気になる所もありますが、そんな事より最終話でようやくまともに下の名前で呼ばれた彼に幸多からん事をw
そして田中と紗羽。推薦入試に合格し、大学でもバドミントンを続けられる事になった田中。いち早く進路を決めた彼に一同が野次という名の祝福を贈る中、紗羽も自分の道を決めた事を告白します。
海外に出て、騎手を目指すこと。その為に卒業を待たずに留学してしまうこと。
そして時は流れ紗羽の旅立ちの日。涙で見送る来夏。笑い泣きで見送る和奏。笑顔で見送るウィーン。そして田中は――。
このシーンの、台詞をカットしてキャラクターの表情から想像させようという演出は何ともニクイ!! が、やっぱり気になるしせっかくなので田中世紀の大告白を聞いてみたい気もした!w まあ、卒業式のやりとりからすると、紗羽の方もまんざらではない返答をした事が伺えるんですが。
1クールという短い期間もあって、もう少し掘り下げて欲しかった部分はあったものの、コメディタッチとシリアスの程よいバランス加減と素晴らしい作画のおかげで非常に濃厚な13話だったと思います。また、私的な話ですが地元が舞台になっているという事で、色々と別の楽しみ方もさせていただきました。
ごちそうさまでした!

TVアニメ TARI TARI ミュージックアルバム~歌ったり、奏でたり~

TVアニメ TARI TARI ミュージックアルバム~歌ったり、奏でたり~

ちなみにこのイラストの和奏が天使過ぎてジャケ買いしてしまったワタクシガイル。

*1:ちなみに、私立学校の雇用については詳しくありませんが、一般的な雇用関係で言えばあの場の出来事だけで即日退職に追い込むのはいくら経営者でも無理だと思うのですがw

*2:「友達と約束がある」なんて言っていた来夏の弟もちゃんと来ていたり。とんだツンデレ弟だ。つまり今年の冬は宮本姉弟の薄い本が(ぉ