「悪人列伝 古代編」
- 作者: 海音寺潮五郎
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/11/10
- メディア: 文庫
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膨大な資料を紐解いて、古来より「悪人」と呼ばれてきた人々の違った側面を読み取ろう、というコンセプト自体は物凄く興味深いし、実際色々な資料の色々な解釈が出てきてそこの所は十分に面白いんですが、肝心の筆者の結論だとか考え方だとかが予断と偏見ばかりで台無し。
折角原典となる資料の数々を様々な角度で見ているのに、そこに作者の妄想でしかない出来事を同列に並べてしまっていて、結局はただの「歴史創作」に陥ってる、というか。
一応、他の時代のシリーズもあるみたいなんですが*1、ちょっと手は出せませんねぇ……。
*1:そもそもこの本自体が30年近く前の復刊本らしいのですが