「ひぐらし解・皆殺し編」についての評価を散見するに
「ひぐらしのなく頃に解・皆殺し編」を終えてから、ちょくちょくとネット上の評価に目を通していたんですが、思ったとおりというかなんというか、賛否真っ二つに割れているようで。まあ、あのネタでは賛否両論吹き荒れるのは当たり前でしょうがw
ただ、否定派の意見を散見するに、どうも自分のリテラシー不足を棚に上げた物も多いように感じました。以下、気になった意見とそれに対する私からの反論をば(以下、重度ネタバレ)
- ミステリだと思ってたのに超常現象や国家陰謀というオチは酷い
- 黒幕が極右政治団体で、その手先の自衛隊が政府の命令で住民を大虐殺って、竜騎士07は左翼か?
- 伝奇小説などでは国家陰謀ネタやら旧帝国ネタなぞ定石中の定石、いわんやハリウッド映画をや。というか、いくらビッグタイトルとはいえ娯楽系ノベルゲーム(しかも同人)に国家陰謀ネタがあったくらいで、「こいつは左翼か?」と思ってしまう人間の政治思想の偏りこそがおかしい。また、作中の内容についても誤読しているように思われる。
- まず、自衛隊のごく一部の非合法部隊が手先になっていたのであって、自衛隊が総体として「東京」の手先になっていたわけではない。また、諸所の台詞や「雛見沢大災害」後に「東京」が現政府から目の敵にされる事になるであろう結果からみると、鷹野は「東京」の解体を目論む勢力の意志(以下、「黒幕」と表記)を受けていた目算が高い。というか、それ以前に鷹野の個人的妄執に組織が利用された可能性も少なくない。
- 日本政府の決定は「最も犠牲の少ない形での問題解決」。実行部隊は自衛隊内の非公式部隊であり、準備の周到さから予め「黒幕」によって用意されていたものと思われる。しかしながら、作中で隊員達にとっても過酷過ぎる任務である事を表す描写があるため、設立目的及び隊員の思想は表向き「黒幕」とは関係ない事になっていると思われる。そもそも、日本政府の意思決定に関った資料自体が捏造物であった可能性もある(女王保菌者が死ぬと一般保菌者の大多数が発症する、というのが事実ならば、綿流し・目明し編と矛盾するetc)。
- つまり、「政府にとっても苦渋の決断だった上に、その決断以外出来ない所まで誘導されてしまった」、「自衛隊が主体として住民を虐殺したのではない」、「極右団体『東京』が住民の虐殺を主導したわけではない」という三点が作中で明示されており、「右叩き」と断定できるほどの根拠に乏しい。
- 掲示板などでの竜騎士07の言い訳が見苦しい
こんな所でしょうか。所々穴がある気もしますが(^^;
この中でも特に「国家陰謀論」に対する拒否反応が多かったのが意外でしたね。上でも書きましたが、この手の話だとかなりポピュラーな部類に入るネタなんですけれども。ただ、「陰謀論は良いけれども、見せ方と使い方がストレートすぎる。もっと捻るべきだったのでは?」という意見も多く見られ、それについては私も同意。