(以下ネタバレ)
遂に自らのエゴをさらけ出したパックは、ダイチ達と遊星歯車装置の双方に牙を剥く。エゴブロックを備えてしまったパックに対し、ブーステッドプラズマグナムを失ったダイチ達に打つ手は無く、遊星歯車装置も自らのエゴブロックを爆発させる以外にダメージを与える術はなかった。しかも、パックは自らのエゴをブルーメにインストールしハナの肉体を乗っ取ってしまうーー。
色々と駆け足だったり、説明が足りなかったり、伏線が回収されていなかったり、後日談が全く無かったりと色々不満はあるものの、最終回としては十分に及第点だったのではないかと思います。
遊星歯車装置達が、アバターで体験した「限りある生」に心惹かれている様は今まで少しずつ描かれてきていたので、アマラ以外の面々がセイレーンことセツナの提案に素直に従った点については違和感無く。唯一彼らの言動が理解できていなかったアマラも、心の底では「限りある生」の価値に気付いていて、それでも決して認めたくなかった想いが、最後の彼の行動を起こさせたのだと理解できます。
ダイチとハナのライブラスターがパックのエゴブロックを撃ち抜けたのはいまいち謎でしたが、ブルーメを破壊されてもなおハナが生きていた(?)事を鑑みるに、「たった一人のエゴでは二人の愛に勝つことは出来ない」という事なのかな、と好意的に解釈できなくも無く。まあ、最後は愛が勝つ、ってことで。
結局最後まで謎の少女エーリアルの正体は分かりませんでしたが、彼女と入れ替わるような形でピッツが姿をあらわしたところを見るに、彼女はピッツと同一、もしくは根源を同じくする存在なのかもしれません。ライブラスターを手にするダイチ達を見守るような立場をとっていましたから、おそらくはライブラスター本体か、それらを統べる意志、のような存在なのかも。だから、ピッツとそっくりの姿をしたラッパが、遊星歯車装置としての自分を捨てたセツナの前に再び姿を現したのは、キルトガングという存在を否定した事で彼女らにもネオテニーになる資格が備わった事を意味しているのかも。
ライブラスターが「想いを力にする」武器だった為か、「何だかよく分からないが気合で勝った!」展開が多く、最終回もまさにそんな感じだったので、人によっては好きになれない作品かもしれませんが、割り切って観てしまえば非常に良くできたロボットアニメだったのではないかと思います。欲を言えば、ライブラスターのそういった性質を話の流れだけではなく誰かダイチ達以外の言葉で表してくれればもっとすんなりと作品のノリを受け入れられたのに、と思わなくも無いですが。
キャプテン・アース 公式アーカイブ FINAL EXPAND
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