舟を編む 第六話「共振」感想
あらすじ
意を決して香具矢に「恋文」を手渡した馬締だったが、恥ずかしさや返事を聞く怖さ等がないまぜになり、彼女の顔を見るなり逃げ出してしまう始末。仕事でも、「大渡海」制作継続の条件として会社に出された小型辞書の改訂作業にどうしても人手が足りないという問題が発生。しかも、頼りにしている西岡が近いうちに宣伝部へ異動になるという事実を聞かされ、馬締の心は不安一色になってしまうが――。
感想
「中学生かよ!」とツッコミたくなる馬締の純情さだが、もし自分が(年甲斐もなく)思いの丈を綴った恋文を異性に渡したら……馬締とは別の意味できっと恥ずかしさで死にそうになるだろうから、あまり馬締の事は責めないでおいた方が良さそうだ(苦笑)
香具矢があっさりと「OK」どころか「私も好きです」とまで言い出すとは少々唐突感があるが、タケさんの態度から、劇中で直接描かれている以上に二人の間に「フラグ」が立っていたのではないか、とも考えられるので、ここは深くツッコミを入れるところではなさそうだ。
馬締が香具矢とうまくいきそうで幸せオーラを感じる反面、異動の件を言い出した時と、自分が思っている以上に周囲から頼られていたのだと実感した時の西岡の悔しそうな表情が何ともやるせない。
- 作者: 三浦しをん
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2015/03/12
- メディア: 文庫
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