舟を編む 第十話「矜持」感想
あらすじ
「血潮」が抜けている――完成間近と思われた大渡海に訪れた試練。馬締は急ぎレイアウト修正を行うとともに、他にも抜けがないかどうか二十四万語全てを再チェックする事を決定する。人手が集められ、二十四万語という途方もない言葉の山を相手にするという、途方もなく地道な作業が始まった。不眠不休に近い状態が続き、馬締達に心身共に疲れが見え始めた中、松本が入院したという一報が入り――。
感想
レイアウト調整は思いの外あっさり処理された感があるが、実際には行数を調整するだけでも大変だったのだろうな、とも感じた。
一方で、二十四万語を一つずつ確認(そして恐らくはダブルチェックが行われただろうから単純に労力二倍)するという作業は、単純な物量処理であり創意工夫ではどうにもならない相手。今回のように人海戦術で挑むしかない。
作中では他に漏れはなかったように見受けられるが(?)、もし他にも抜けがあったとすると、レイアウト調整と並行してチェックも続けなければならず……無限地獄に突入する可能性すらあった。IT業界に身をおいた事がある身としては、出荷が迫る中致命的バグが発見され、そちらを直せばあちらがバグり、こちらを直せば他がバグる……という無限地獄を多く目にしたことがあるので、全く笑えない。
松本の体調も心配だが、Cパートがまた反則……。
追記
そして今更ながら、トラさんも鬼籍に入っている事に気づき(トラオさんは模様が違う)、何だか物凄く落ち込んでしまった……。
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