あらすじ
「大渡海」の制作中止を食い止めるため策を弄した西岡。目論見通り、業界内に「大渡海」名が知れ渡り上層部が制作中止を決定しづらい空気が生まれた。だが、西岡のスタンドプレーは当然の如く上層部の不興を買っており、西岡は局長から呼び出しを受けてしまう。
馬締達の心配そうな視線を受けながら局長のもとへ向かった西岡。局長が彼に言い渡したのは二つ。一つは、「大渡海」の制作続行の条件として学習国語辞典の改訂作業を行うこと、そしてもう一つは、西岡の宣伝部への異動だった――。
感想
出る杭は打たれる――という言葉が似つかわしい西岡の扱いに少しだけ泣けてきた。出版社における宣伝部がどの程度の地位なのかは不明だが、懲罰人事である事は間違いない様子。にも関わらず、自分の心配よりも馬締の心配をし、辞書作りを続けられない事への無念さが勝るなど、最後まで西岡の「いい人」振りが目立った。
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