たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

乱歩奇譚 Game of Laplace #3「影男」感想

今回の満足度:2点(5点満点)
(以下ネタバレ)

あらすじ

連続少女誘拐事件が世間を騒がす中、犯人は怪盗「影男」ではないかという噂がまことしやかに囁かれていた。変装の達人であり、アケチ曰く「義賊気取り」の影男。警察から彼についての調査を依頼されたアケチだったが、「興味が無い」と突っぱねてしまう。
「影男」に対する興味を抑えきれないコバヤシは、独自に調査すると言い出し意気揚々と出掛けるが、そんな彼に「影男」本人が誘拐事件の捜査の手助けをしてほしいと持ちかけてくる。「影男」はコバヤシの行動力と容姿を見込んで、女装してのおとり捜査を提案するが――。

感想

以前も書いた通り、コバヤシ少年の女装ネタ自体は少年探偵団シリーズのメジャーなエピソードだが、流石にあそこまで見事に化けられると意外性というか畏怖の気持ちが湧いてきてしまう。パンツまで履き替える徹底ぶりには恐れ入るが、コバヤシの脱いだパンツを受け取った時のハシバの反応の方がより怖いのかもしれない。ハシバが、あのパンツをどう扱ったのかについては考えない方が幸せか。
「影男」は実にいいキャラクターだったが……彼も彼の愛した薄幸の少女も全く救われない最後には、ただ絶句するのみ。乱歩作品に多く見られるように、揺るぎない変態が自業自得で悲劇に陥る類の話を期待していただけに、これほどまでに徹底して救いのない、後味の悪いエピソードを味わう事になるとは思ってもみなかった。
コバヤシ少年が女装に目覚め――もとい、女装の技術を身に付けたというオチは笑う所なのかもしれないが、全く笑う気分にはなれない。
ここはアケチが真剣に眺めるPC画面に映る「怪人二十面相」の文字を頼りに気持ちを切り替えるべき所か。