たこわさ

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寄生獣 セイの格率 Stage:4「みだれ髪」感想

原作既読。
(以下ネタバレ)
ミギーと新一を抹殺するべく、大胆にも学校に乗り込んできた「A」。他の生徒達に被害が出ないよう、新一は自分達だけで「A」に立ち向かう事を決意する。そんな新一にミギーが授けた策、それは「A」が新一を「敵」としてカウントしていない、取るに足らない存在だと認識している事を逆手にとって、ミギーが防御に徹しその間に警戒されていない新一が「攻撃」を行うという大胆なものだった――。

新一が「A」の胸をパイプで突き刺すシーンはなんだか原作よりもずっとあっさりした感じでしたね。もちろん、その後のシーンで「忘れられない(いやな)感触」と回想していたので、原作のニュアンスが全く無くなってしまったわけではないのですが、独特の「動の中の静」とでもいった演出がアニメではほとんど見受けられないので残念ではあります。

上記のような、所謂「溜め」を必要とする演出が抑え気味なのは、もしかすると今回の脚本で顕著に見受けられた脚本の駆け足振りが関係しているのかもしれませんね。このアニメが全何話なのか調べていないので知らないのですが、もしかすると原作のボリュームに比べると物凄くタイトなのかも。

ただ、そんな中でも、本物の「田宮良子」の母親と新一の母親、二人の「母」が見せた我が子に対する理性を超えた直感的な「何か」を一話の中で見事に描き切っていたので、原作の再構成という意味ではこのアニメ、今のところ実に秀逸な作りになっているのではないかと思います。

さて、パラサイト達が宿主の脳を食い尽くした瞬間に聞こえたという「命令」――「この種を食い殺せ」は、人間にはとても理解しがたい衝動ですが、田宮良子がハエを例えに出していたように、物凄く身近な言葉に置き換えるとつまりは「本能」が彼らを食人に向かわせているのだという事が明かされました。
しかしながら、やはり田宮良子は「本能」の奴隷という訳ではないようです。新一とミギーを「少し混ざっている」と評し興味を持つと殺害を思いとどまったり、本物の田宮良子の母親の不思議な能力に触れて、それを「不思議な事もあるのだな」では済ませずに知的探求心を刺激され、結果としてこれから「母」になるであろう自分自身の存在すらある種の実験体のように――その実「人間」を理解しようと――振る舞うその姿は、やはり本能の奴隷ではなく理性の下僕なのではないのかな、と。

寄生獣 セイの格率 オリジナル・サウンドトラック

寄生獣 セイの格率 オリジナル・サウンドトラック