革命機ヴァルヴレイヴ #22「月面の拳」感想

革命機ヴァルヴレイヴ 2nd SEASON 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

（以下ネタバレ）
キューマの犠牲によりからくも敵の手から逃れたものの、月面の通信不能区域で孤立無援となってしまったハルトとエルエルフ。何とか仲間と連絡を取ろうと試行錯誤するハルトだったが、そんな彼をエルエルフは冷笑する。やがて二人の諍いはエスカレートしていき――。
大切な人を失ったエルエルフ、大切な人に裏切られたハルト。同じような傷を持つもの同士が互いの傷をえぐりあう事で、はからずも自分自身と向き合うことになり結果として同じ目的を見出し「約束」を交わすという展開は中々に熱い。今まではヘタレたハルトをエルエルフが冷たく叱咤する、という流れが多かっただけに、ようやく二人の関係が対等になった――もしくはハルトがエルエルフを仲間と認めたあの時の二人にようやく戻った――訳で。
しかし、宇宙服姿でエルエルフがマウントとってハルトをボコり続けるという構図はちょっと間抜けでしたが。まあ、このアニメらしい演出ではあります。
一方、ハルトを裏切った――本人達の中ではハルトが裏切った事になっているだろう――ショーコ達は、キューマが犠牲となった理由に目もくれず、残された山田やアキラ達を化け物扱いし続けていた。この辺り、ショーコ自身はARUSに騙されていたことやキューマの献身から山田達は少なくとも敵ではないけれども、他の生徒達の不審が拭えないので山田達を乗船させられない、という流れだったら良かったんですが、ショーコも思い切り「化け物」呼ばわりしてますから最低です。
前回はまだ、自分の許容範囲を超えた出来事の連続の中、最後の頼みだったハルトとの信頼も裏切られた（と少なくともショーコは感じていた）訳で、屑だなぁと思いつつもまだ理解出来ましたが今回のは流石に擁護できませんね。つーか、自分の為に引きこもりやめて危険なパイロットを買って出たアキラに対しても化け物呼ばわりっていくらなんでも酷すぎる。
それでも、多分山田と同じようにアキラはショーコ達を守り続けるんでしょうね。結局、命を張っていた人間と、守られている自覚さえ希薄なまま学生ノリの延長みたいな感覚で政治をやっていた人間との差、なんでしょうね。少なくとも地球偵察組の面々はショーコ達より冷静だったし。
最後に、エルエルフが自分を裏切ったわけではない事をしったアードライの計らいで、ヴァルヴレイヴと共に脱出したサキが、ハルトとエルエルフを発見した件から、やっぱり本作の真のヒロインはサキだったのか、などと思ってしまったり。アキラも今後十分にヒロインしそうですが。