たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

ゴールデンタイム 第9話「リバース」感想

原作未読。
(以下ネタバレ)
香子の不調、というか不安は、やはり万里とリンダの会話、特に万里の(18歳までの彼が言わせたと思しき)「戻りたいよ!」という一言を聞いてしまったから何でしょうね。万里だけじゃなくあからさまにリンダの事も意識していましたし。
それでも万里が自分に黙っている内は知らない振りを続けているのでしょうね。そう考えると非常に健気です。万里の慰めからの自然な流れに身を任せたキス、多分香子にとって(そして記憶を失っている万里にとっても実質初めての)それが持つ意味は非常に大きい事でしょう。しかし、18歳以前の万里にとってはそうではなかったようで。
この香子の「知らない振りをする」という行動と同じように、過去のリンダも兄の婚約者の不貞を知りながらも兄には黙っているという、「他人のための嘘」を吐いていました。一人では抱えきれないその嘘を、「ずっと一緒にいる」と共有してくれた過去の万里。たとえ恋愛感情がなかったとしても、やはり万里は彼女にとってかけがえの無い存在なはずで、だからさっぱりと割切ったような態度をとっていても、実際にはリンダの中では万里に対する複雑な感情がまだまだ渦巻いているようで……。でも、万里はその事に気付かない、いや気付けないのですよね。リンダが思わず口にしてしまった「アニ」という過去の万里と共有していた言葉。それが最早自分ひとりだけのものだと思い知ってしまったリンダの気持ちを考えるとなんともやるせない。
そしてこの最悪とも言えるタイミングで「18歳までの万里」の人格が肉体に戻ってしまい……。現在の万里の気持ちなど全く理解出来ない彼にとって、最優先はリンダな訳で。この出来事が更に香子とリンダを追い詰める事にならなければいいのですが。