たこわさ

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「高杉さん家のおべんとう」(6)感想

高杉さん家のおべんとう6 (フラッパーコミックス)

高杉さん家のおべんとう6 (フラッパーコミックス)

遂に久留里が高校生に。
(以下ネタバレ)
高校生になって環境が激変した中、急激に成長していく久留里。それにつられるかのようにハルも色々と成長(?)し始め……。
新しい環境の中で必死に頑張る久留里の姿が相変わらず愛らしいんですけれども、同時にどんどんと「大人」に近づいていく彼女の姿が悲しくもあり。元々達観した子供だった久留里には、もう少し子供らしいモラトリアムを過ごして欲しいなぁ、と思ったりするんですよね。でも、彼女はその道を選ばない訳で。
ハルに対する想いも子供っぽい恋愛感情じゃなくて、彼の10年先の生活とかまで考えてしまう真剣さ。でも、その未来でハルとは「家族」のままだけど彼の隣にいるのは自分ではない、というある種の諦観をも持ってしまっているわけで……。本当に「我侭」を言わない娘です、久留里は。
一方で、ニブチン男のハルもようやく小坂さんの自分に対する気持ちに気付き始め、また久留里の切ない「後押し」も手伝って、一気に小坂さんとの距離を縮めつつあったんですが――結局フラれてしまいました。
ハルは確かに小坂さんの事が好きでしたが、彼の思い描く「10年後」というのは全て久留里中心の未来であって、そこに小坂さんの姿は無い。いやまあ、ハルの場合「自分の10年後」がそもそも思い描けていなかったんですがw とにかく、小坂さんの「好き」とハルの「好き」は残念ながら噛合わなかったんですね……。
しかし一方で、ハルと久留里はお互いにお互いの「10年後」を思い描くという両思い振り。ハルは久留里に恋愛感情を持っていませんが、それでも彼のトッププライオリティが久留里であるという事実は変わらないわけで。それに気付いてしまった小坂さんの切なさと思い切りの良さがまさしく「いい女」過ぎて涙が……。