たこわさ

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夏雪ランデブー 第11話感想

原作はノータッチ
(以下ネタバレ)
「一緒の骨になろうか」
葉月への行為を自覚しながらも、今目の前にいる「島尾」の事を捨て去れる訳が無い。六花の真意がどこにあったのかまでは分りかねますが、彼女は「島尾」に鋏を握らせ――。「ただ見ているだけ」しか出来ない葉月のもどかしさ・悔しさ・焦りはいかばかりのものだったでしょうか?
そして、そんな六花の言葉を受けて鋏を受け取るも、それでもって六花を「連れて行く」事はせずに最後に強く優しく抱擁して去って行った島尾。彼の心中については、エピローグ部分での描写に集約されているといっても過言ではないでしょう。
「戻ってきた」葉月と六花が実に「いつもの調子」のままだった所が印象的。そして「自分は島尾の思い出を共有できるただ一人の人間」だと、自分を受け入れたからといって島尾の事を忘れてしまう必要はないのだと改めて宣言する葉月の姿が胸を打つ。
数十年後、既に六花の姿は無く後を追うように葉月も逝ってしまった未来の事。二人とも若死にだな、と思いつつも子供や孫の様子、そして思い出の写真から幸せな人生を送ったのだと想像できます。もちろん、島尾の思い出と共に……。
最後まで残された島尾の書斎。それを満足げな笑顔で「処分して」と幼子に託す島尾。その表情が、この物語がハッピーエンドを迎えたのだ、と教えてくれた気がします。