たこわさ

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坂道のアポロン 第9話「ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー」感想

今回あまりにも自分のツボにはまったので久々に感想をば。
(以下ネタバレ)
千太郎と淳一の本気の殴り合い――激しすぎるセッションシーンの作画と演奏にまず鳥肌。そりゃあボンも着いていけなくて思わず見入っちゃいますわ。
そして何より最後の展開。
「今度の仕事は賭けみたいなものだ。生活の保障は出来ない」「君はまだ高校生だ。君は君の人生を生きてくれ」――百合香を大切に思うが故に別れを告げる淳一。彼の判断は傍から見ても正しい……ように思われたが実はそうではなかった。
「本来の百合香の人生」とは、高校生で既に見合い話を進められるような、「自分の人生」と呼べるのかどうかさえ疑問符が付くものだった。恐らくは淳一との事がなくとも百合香の行く末は全て親に決められる、そんな状況だった。
だから、百合香を探しに来た両親の言葉や百合香の涙を前にして思わず駆け落ちという選択肢を選んでしまった淳一の行動こそが、実は「正しい選択肢」だった――たとえこの先貧しく苦しい生活が待っていようとも、百合香が「自分の人生」を本当の意味で送ることが出来るのは、やはり淳一の傍しかないのだ。
それこそ60年代の青春映画ならここでスタッフロールが流れ出しそうな二人の行く末に幸多からん事を。そう願わずにはいられない何とも小気味良い「結末」でした。

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