「UN-GO」 全体感想
最終回まで観終わったので。
(以下ネタバレ)
前半は、何ともスッキリしない推理と因果の能力の使い所など、正直ぱっとしない作品としか思っていませんでしたが、後半から評価が爆上げ。水島監督も脚本の會川昇氏も、最後まで観ないと評価が難しい作品ばかり作っている印象が強かったですが、それが本作にも当てはまったな、と。
ストーリー展開としては決して緻密でも派手でもなく、どちらかというと外連味たっぷりでそれでいて地味な構成で、作画や演出も奇をてらったものは少なく大人しい印象でしたが、それでも後に残る感想が「面白かった」なのだから、これはスタッフの地力によるものなのかな、と。
あとは、何とも味のある登場人物たちの魅力、でしょうか。
最終回感想
ある意味バレバレながらもワクワクさせる展開でした。
人間の持つ清濁を全て飲み込みながらも少しずついい方向に持っていくしかない、と達観している麟六に対し、人間が清濁併せ持つ事を認めながらも、それでも人の真実――善意を見てみたいと願う新十郎。
二人の理想家の対決はまだまだ続いていく、という終わり方は中々に味わい深い。
お嬢さんが新十郎のことを「探偵さん」と呼んでいたのに、最後の最後で「新十郎」に戻した所も印象的でした。こういった、登場人物の何気ない言動や所作の描き方が秀逸な作品だったのかもしれません。
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劇場版はまだ上映している館が有れば観に行きたい所です。