たこわさ

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アクティヴレイド -機動強襲室第八係- File 12「誰がための秩序」感想

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

遂に国家統合情報基盤のシステム権限の全てがミュトスの手に落ちてしまった。最早ミュトスの許可なしにはどんなネットワークも運用する事が出来ない……更には個人のPC等もLikoに仕組まれていたバックドアによりその殆どを掌握されてしまっていた。だが、思わぬ所からミュトスの素性が明らかになり、ダイハチは彼からシステム権限を奪い返すべく最後の戦いに赴く――。

感想

いきなり人情話で決着が付いてしまい、何とも脱力してしまった。ミュトスの境遇には心から同情するが、彼を排斥したのは日本と言うシステムというよりは、彼を「被害者」として保護しきれなかった当時の司法や政治担当者達の無能であり、それを日本と言う総体そのものにぶつけるのはやはり逆恨みにしか思えなかった。
結局、室長の言ったとおりミュトスは「子供」だった、という事なのだろうが。
ミュトスとは対照的に超然とした本性をむき出しにした八条については……ミュトスとは別の意味で「子供」と言えるだろう。全能感故に人情と言うものを(恐らくは)理解できない彼のパーソナリティはラスボスとしてはやや迫力不足。二期で出てきそうな気配もあるが、あまり物語を盛り上げてくれるような異彩を放つことはなさそう。

一期を終えてとりあえずの総括

本作は往年の名作「機動警察パトレイバー」を髣髴とさせる残念系の警察モノだったが、その完成度は同作には全く及ばなかったように思える。キャラクターや背景世界についてはそれなりに魅力的だったのだが、やはりそれを活かす脚本に恵まれなかった印象が強かった。起承転結はあるが、それぞれが独立しているかのような、何とも連続性を感じない展開のぎこちなさが全体を通して目立ち、またロゴスの面々をもったいぶった描き方をしすぎていて、その内面の深さを全く感じられなかったし、逆に神秘性が際立つようなこともなかった。
上記の通り、キャラや世界観には一定以上の魅力があるので二期も楽しみな程度には愛着を持てたが、最後まで「佳作」という印象は持てなかった。