たこわさ

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アリスと蔵六 第5話「帰るところ」感想

第1話 赤の女王、逃げる

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

自分が人間ではない事を知り、全てを諦めようとした紗名。だが、そんな彼女を蔵六の真っ直ぐな言葉が繋ぎ止めた。更に事態は紗名達の味方をする。ようやく追いついた一条がミニーCを圧倒し、遠ざけることに成功、そのまま紗名の「アリスの夢」の力が戻るまでの時間を稼ぎ始める。
多種多様な能力を操る一条の姿に、ミニーCは驚きを隠せなかった。「アリスの夢」の能力は一人につき一つのはずだが、一条の能力の多彩さはその範疇を超えていた――。

感想

一条が第一話で何故、あんな姿をしていたのか、その謎が判明。「本気を出す」=モデルとなった魔法のメイドさんになりきる=メイドの格好になる、という事で、一条が「本気を出したくない」のはきっと手加減できなくなるからだけではないのだろうなぁ、と察せられる(笑)。
しかし本人にとっては笑い事ではなく、一条自身は魔法少女(?)になりたかった訳でもないし、凄まじい戦闘能力が欲しかった訳でもない。全くの偶然で能力を決定されてしまった訳であり、「アリスの夢」が人間の願望を形にするものではなく、もっと恐ろしくアトランダムな何かであるという事の、何よりの証左になっている。
もちろん、研究所の方はそんな事は百も承知だったのではないかと思われるが、ミニーCはどうやら知らなかった(知らされていなかった)ようであり、二重の意味で気の毒ではある。が、ギリギリ同情する気にはなれず、敵役としては実に良いさじ加減だった。

さて、何とも見事な「第一部・完」で幕を閉じてしまったが、ここから話をどう広げていくのだろうか? 敵対組織である研究所も摘発されてしまったわけだが、残党とのバトルでも待っているのか、それとも紗名がいかにして人間としてのアイデンティティを獲得していくかが描かれる事になるのか……。
紗名の能力もまだまだ安定性を欠いているし、そもそも何故彼女という存在がこの世に生み出されたのか、その実際のところが描かれていないので、しばらくは紗名と周囲が「アリスの夢」に振り回される日常が続いていくのかもしれない。