あらすじ
なんだかんだありつつも、蔵六の家で厄介になることとなった紗名。日中は花屋の仕事の為に家をあけなければならない蔵六は、孫娘の早苗に紗名の世話を頼む事に。
早苗のおおらかな性格も手伝い、紗名はすぐに早苗と打ち解けるが、蔵六の言いつけを守らずに「アリスの夢」の力を使ってしまい思わぬ事態を招くことに――。
感想
蔵六の孫だけあって、天然では片付けられぬ胆力を見せた早苗の包容力には恐れ入る。
しかし、蔵六が「研究所」の危険性に対して、危惧するような素振りを見せていないのが少々気になる。警察にあからさまな圧力があり、紗名の言葉を信じれば非人道的な実験をやっていたような組織とそれに追われる紗名――そんな構図を前に、紗名を一人自宅に置き、あまつさえ孫娘に面倒を見させる行為は、一見すれば危機感を欠くそれに見える。
蔵六には何か思うところがあったのか……この点は、次回以降の展開で明らかになるものと考えておく。*1
紗名の「アリスの夢」が、暴走に近い働きを見せた件も気になるところ。
- 作者: 今井哲也
- 出版社/メーカー: 徳間書店(リュウ・コミックス)
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*1:施錠しつつ、紗名が寝ている部屋を見上げる様子からは、何らかの思惑や危惧があるようにも見受けられるが。