たこわさ

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GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 第23話「空挺降下」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

遂に帝国講和派要人救出作戦が実行に移される。空挺部隊を中心に展開した自衛隊は監獄に囚われていた要人達や、翡翠宮で苦戦を強いられていた薔薇騎士団の救出に成功する。作戦は無事に成功し後は帝都から撤収するのみとなったが、ボーゼスがピニャを救うべく一人飛び出して行ってしまう。彼女を連れ戻しに行ったヴィフィータの「必ず戻る」という言葉を受け、他の部隊が撤収を開始する中、健軍率いる部隊は二人が戻るのを待つが――。

感想

※原作は未読です。
イタリカ攻防戦の時のようなある種の皮肉めいた演出とは異なり、今回は「正義の自衛隊が悪の帝国兵を蹴散らす」みたいなノリになってしまっていて素直に喜べなかったものの、戦闘作画や演出自体には満足。死者こそ出なかったが、自衛隊側もギリギリの戦いを強いられた感が演出されていたように見受けられた。
死者が出なかった事には違和感を持つ視聴者もいるかもしれないが、ゾルザル側が必要以上に無能として描かれている状況を鑑みれば、むしろ自然な展開だと言える。もっともらしい事を言いながらゾルザルを追い込んでいくテューレの愉しそうな顔がまた怖い。
まさかの健軍一佐とヴィフィータのフラグ成立に吹いてしまったが、ピニャを救出できない無念で号泣するボーゼスの姿には心底心が痛んだ。彼女の危機に「いい仲」である富田が全く何もしなかったのには少々皮肉めいた笑いが浮かんでしまったが。
しかし、前回ヒーローさながらにロンデルを飛び出していった伊丹が、今回は少々ピエロとも言えるポジションだったのは頂けない。彼がキリッとした表情を見せながら帝都に駆け付けた頃には全てが終わっているのだからなんともしまらない。駆け付けた理由も、てっきりピニャの危機を知ってのものかと思っていたら帝都に駐留する部下が心配なだけであったし、その部下達は危なげなく帝都から撤退した後と言う……。
地下牢に閉じ込められ「もう限界」と言った風情のピニャには心底同情するが、今まで描かれてきた彼女はもっと精神的にタフだったので、あそこまで疲弊している事には少々違和感を覚えた。もちろん、元々彼女が持っていた打たれ弱さのようなものは理解しているが……それにしてもいきなりああはなるまい。恐らくは視聴者が感じるよりも長い時間あそこに閉じ込められた故なのだろうが、どうしても唐突感を覚えてしまったので、もう少し丁寧な描写をしてほしかった――とは言え、薄い本が厚くなるような「丁寧な描写」をされてしまっていたら見ているの方が頭が先におかしくなっただろうが(苦笑

次回は遂に最終回。尺からしてあまり思い切った展開にはならなさそうだが、尻切れトンボにならない事を願う。大幅にカットされたエピソード含めて三期を制作してもらいたいところだが。