たこわさ

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うたわれるもの 偽りの仮面 第二十四話「覇者たるもの」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

アンジュを助け出したクオン達は無事、帝都から逃げ延びた。一方、ハクとオシュトル達の前には八柱将ヴライが立ちはだかっていた。自らが帝位につく事でミカドの後を継ごうと考えるヴライと、あくまでもアンジュを盛り立て自分達はそれを支えるべきだと主張するオシュトル。二人の考えは決して交わらず、遂に雌雄を決する時が来た――。

感想

怪獣大戦争。静止画の描き込みも半端なく、大迫力のエピソードだった。
ヴライとオシュトルの問答も、ヴライ側にも一定の理を持たせる事で勧善懲悪を避け、オシュトルの尊い理想もある側面からすれば傲慢に見える事を示唆している。実際、オシュトルを陥れた「黒幕」はヴライが言ったように「オシュトルがアンジュを傀儡として実権を握る」事を恐れたのではないかと考えられ、オシュトルが言葉に詰まったのもそれを自覚していたからだろう。しかしながら、それはやはり「誰が実権を握るか」に囚われて大義を見失った人間の考えであり、ライコウの腹黒い言動を見ていれば「国や民から見て正しい人物」はやはりオシュトルしかあり得ないという事の証左でもある。
ウルゥルとサラァナによる仮面の力の封印は「いやもっと早くやれよ」とも思ってしまったが、消耗しきった彼女らの様子からは、封印の力を振るえば最早彼女達にとって最上位の命令である「ハクの身を護る」事も出来なくなるとの懸念があったのだろうとも察せられる。
ヴライという中ボスを倒して皆で逃亡成功大団円……とは残念ながらならないようで、オシュトルの身に起きようとしている異変、そしてネコネの涙から、最早オシュトルの命は風前の灯火らしい。最終話のタイトルが意味する所を察すると……何とも苦い結末が待っていそうな予感がする。