たこわさ

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3度目の全国大会が始まる「ちはやふる 30」感想

ちはやふる(30) (BE LOVE KC)

ちはやふる(30) (BE LOVE KC)

千早にとって三度目の、そして最後の全国大会が始まりました。
(以下ネタバレ含む)
強豪校や常連校に混じって、新の率いる藤岡東の姿も。お互いにチームで――団体戦で全国大会に来れた事を喜び合う二人でしたが、新が太一の名前を出した途端に千早の雰囲気が一変。

うん そう…
辞めちゃっていないんだ
でも 気配は感じるの
変かな

大会の少し前位から、いないはずの太一の気配を傍に感じ始めた千早。そして。


瑞沢は 勝ちにいくよ

強く言い放つ千早の後ろ姿に、新は太一の存在を感じます。

……この辺りの描写については、解釈が分かれるところかもしれませんね。普通に考えれば、太一の不在を埋めようと必死な千早が、「自分の中にある太一」のイメージの助けを借りて奮戦しているといったところなのでしょうが、私的にはようやく太一が今まで自分をどれだけ支えてくれていたのかを知った彼女が、結果を出す事でその想いに報いようとしている決意の表れなのかな、などとも思ったり。
選手宣誓の時の千早の様子からは、やはり前者なのかな、とも思うのですが。千早はやっぱりいまだに太一の不在を引きずっていて、でも立ち止まるを良しとせず必死に「太一」の気配を背負って踏ん張っているのかな。

一方、太一は

その頃、太一の姿は大阪に。周防名人のテレビ収録に手伝いという名目でついてきていました。名人の強さを科学的に分析するという番組のコンセプトに惹かれてついてきた太一ですが……どうやらむしろ周防が太一の成長を促す為に引っ張ってきた、という方が正解の様子。太一がその事に気付いているかどうかは不明ですが、建前ではなく「師弟」のような関係になってきましたね、この二人。
しかし、その場に思わぬ人物も登場――「かるたのプロ」になる事を決意した女王・詩暢の姿が。祖母のアドバイスに従い、いままで断り続けて来たテレビやマスコミの取材も精力的に受ける事を決めたようで。周防は「僕の番組なのに」と拗ねつつも、「努力で辿り着ける究極の強さ」を体現した詩暢の存在は太一の何よりの存在の糧となると、歓迎する向きもある様子。
ここに来て太一は一気に運が向いてきたように思えますね。やはり今までは千早に吸い取られていたのかな(酷

瑞沢は順調に勝ち進むが……

全国大会では、瑞沢が順調に勝ち進んでいました。千早の「強欲」宣言の結果、優勝するだけではなく今後何年も続くような強豪校になる事も目的となった瑞沢にとって、様々な選手がひしめく全国大会という舞台は格好の新人育成の場でもあり。勝ちに行きながらも、新人たちも極力オーダーに加え、絶妙のバランスで勝ち進んでいきます。
下級生達にもそれぞれきちんとスポットが当てられるのは、この漫画の美点ですね。それは同時に、良質なスポーツ漫画の条件でもある訳ですが。一部の天才だけが活躍する話もそれはそれで面白いのですが、やはり脇を固める人々についてきちんと描かれていない作品は薄っぺらくなりがちですからね。
一番育てるのが難しいと思われた田丸妹も、どうやら自らの足で歩き始めようとしているようで、名実ともに次期エースとなれそうな予感。でも、部長が務まりそうなのは波田君ですw

そしてそして、順当に強豪校が、あるいは藤岡東のようにダークホースが勝ち進んでいく中……富士崎の桜沢先生が結婚&引退するという衝撃の話が明らかに!www 富士崎の生徒達だけでなく、話を聞きつけた関係者の殆どが動揺している辺り、桜沢先生の影響力の大きさが窺い知れようというところですよね。

そして準決勝

準決勝は瑞沢対富士崎、北央対藤岡東という対決に。いくら新が率いているからと言っても、藤岡東がここまで勝ち抜いているのは素直に凄い。でも、その裏で山本さんが勢いで新に告白して速攻で振られるというトラブルもあったようで(苦笑)。なんかもう、新のこの辺りって、本当に千早とお似合いですよね……もちろん、悪い意味で。二人ともいい人ではあるんだけど、致命的に他人の心に疎いんですよね……。
まあ、でも新はきちんとフォローを入れられる優しさも持ち合わせているので、千早と一緒にするのは失礼過ぎるかもしれんがw

ヒョロくんと対戦する事になった新の涙も印象的。やっぱりヒョロくんがいなければこの作品成り立たないよな、と再確認。