かくしごと 第03号「やりくりサーカス」「漫画の実情と筋肉」感想
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ。原作バレやや配慮中)
あらすじ
可久士のアシスタントが次々と怪我をしてしまい、スケジュールはピンチ!
十丸院が急遽アシスタントを手配してくれるも、「あの」十丸院のこと、とんでもない腕前のアシスタントを寄越すのではないかと、戦々恐々とする後藤プロの面々。
しかし、やってきた臨時アシスタントは思いのほか有能の一言。だが、可久士には別の懸念があるらしく――。
感想
本作の「漫画家あるある」エピソードは、大半を原作者の久米田氏が体験した「実話」で占めている……という話をどこかで聞いたが、この臨時アシスタント氏にもモデルがいるのだろうか(笑)。
さて、未来編と現代編の双方から、また新たな事実が浮かび上がってきた。
十八歳の姫が辿り着いた鎌倉の「倉庫」と、十歳の彼女が可久士と暮らしていた中目黒がそっくりな間取りで、しかも中目黒のそれは古民家に見せかけた新築なのだという。
母親の不在や、姫の成長に合わせて用意されている「箱」の存在も相まって、新たな事実が明らかになる度に謎がますます深まっていく――これも一種の王道的ミステリ展開と言えるだろう。
本編が相変わらずお気楽(?)コメディなので、未来編のミステリアスさが逆に際立つ。
久米田康治という漫画家の真骨頂がここに表れているように思える。