助野嘉昭「双星の陰陽師 18」――愛の為に戦い抜いた一人の男が、今……
連載を追っていた時もかなり「くる」ものがありましたが……単行本でまとめて読むと、「彼」の感情の動きがよく分かって二倍辛い!
Kindle版は↓
- 作者: 助野嘉昭
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/03/04
- メディア: Kindle版
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(以下ネタバレ含む)
表紙は、「最初で最後の親子のふれあい」。
有主の心中を思うと……鬼畜すぎる絵面です。
ということで、連載開始時から物語を引っ張ってきてくれた有馬が、悲しい最期を迎えました。
愛する息子と和解し、お互いの想いを伝えあったその直後、ほとんど痕跡も残さず、この世から消え去りました……。
ここに来て「ケガレ堕ち」の伏線が生きてくるとは……。
本作は、思わせぶりなものから、一見するとその場限りと思えるものまで、様々な伏線が丁寧に積み重ねられているのが特徴ですが、この「ケガレ堕ち」の使い方はずるい! こんなの泣いちゃう(苦笑)。
最期まで飄々とした「変態パンツ男」の仮面を被り続けようとした有馬の本心を、清弦の教えを受けたろくろが看破して素直にさせた、という件もまた涙を誘います。
「親の心子知らず」で、後で悲しい思いをするのは子供の方なんですよね……。
あのまま、有馬が偽悪的な言動を続けたまま死に別れていたら、有主の心は今後救われることは無かったんじゃないかと思います。
――そういう意味では、清弦という「友」が最後に有馬を救ったのかも知れませんね。
…ああ そうかぁ…
これまでずっと… 大変だっただろぉ~もう………ゆっくり休めぇ~~~…
有馬の「魂」が最後に清弦のところに現れたのは、そういう意味もあったのかもしれません。
けれども戦いは続く
有馬が命をかけて無悪を退けたものの、現に残ったケガレ、そして婆娑羅の一部はまだ健在。
島では最後の戦いが始まり――そして、腕の封印を解かれたろくろは、遂に悠斗のもとへ!
「最強」天馬との共闘……というか「競争」が始まります。
有馬がろくろに語った「繰り返される歴史」。
その中にあって、今まで存在しなかった悠斗という「異物」。
天馬が疑問に思ったように、悠斗の真の目的は未だに不明。有馬達のように、繰り返される歴史を打破する為ではないようです。
一体、戦いの行方はどうなるのか?
天馬も、有馬と同じく自分の死を知っているような節がありますから……油断なりませんね。
- 作者: 助野嘉昭
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2018/12/04
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