たこわさ

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助野嘉昭「双星の陰陽師 18」――愛の為に戦い抜いた一人の男が、今……

双星の陰陽師 18 (ジャンプコミックス)

連載を追っていた時もかなり「くる」ものがありましたが……単行本でまとめて読むと、「彼」の感情の動きがよく分かって二倍辛い!

Kindle版は↓

双星の陰陽師 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

双星の陰陽師 18 (ジャンプコミックスDIGITAL)

(以下ネタバレ含む)


表紙は、「最初で最後の親子のふれあい」。
有主の心中を思うと……鬼畜すぎる絵面です。


ということで、連載開始時から物語を引っ張ってきてくれた有馬が、悲しい最期を迎えました。
愛する息子と和解し、お互いの想いを伝えあったその直後、ほとんど痕跡も残さず、この世から消え去りました……。

ここに来て「ケガレ堕ち」の伏線が生きてくるとは……。
本作は、思わせぶりなものから、一見するとその場限りと思えるものまで、様々な伏線が丁寧に積み重ねられているのが特徴ですが、この「ケガレ堕ち」の使い方はずるい! こんなの泣いちゃう(苦笑)。

最期まで飄々とした「変態パンツ男」の仮面を被り続けようとした有馬の本心を、清弦の教えを受けたろくろが看破して素直にさせた、という件もまた涙を誘います。
「親の心子知らず」で、後で悲しい思いをするのは子供の方なんですよね……。
あのまま、有馬が偽悪的な言動を続けたまま死に別れていたら、有主の心は今後救われることは無かったんじゃないかと思います。

――そういう意味では、清弦という「友」が最後に有馬を救ったのかも知れませんね。

…ああ そうかぁ…
これまでずっと… 大変だっただろぉ~

もう………ゆっくり休めぇ~~~…

有馬の「魂」が最後に清弦のところに現れたのは、そういう意味もあったのかもしれません。

けれども戦いは続く

有馬が命をかけて無悪を退けたものの、現に残ったケガレ、そして婆娑羅の一部はまだ健在。
島では最後の戦いが始まり――そして、腕の封印を解かれたろくろは、遂に悠斗のもとへ!

「最強」天馬との共闘……というか「競争」が始まります。

有馬がろくろに語った「繰り返される歴史」。
その中にあって、今まで存在しなかった悠斗という「異物」。
天馬が疑問に思ったように、悠斗の真の目的は未だに不明。有馬達のように、繰り返される歴史を打破する為ではないようです。

一体、戦いの行方はどうなるのか?
天馬も、有馬と同じく自分の死を知っているような節がありますから……油断なりませんね。

双星の陰陽師 17 (ジャンプコミックス)

双星の陰陽師 17 (ジャンプコミックス)