色づく世界の明日から #13「色づく世界の明日から」感想
今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
遂に訪れてしまった別れの時。
時間魔法の準備が進む中、魔法写真美術部の面々は思い思いの言葉を瞳美に贈る。
最後に唯翔の順番が回ってくるが、瞳美も唯翔もお互いの感謝の言葉を述べるだけで、どこか割り切った雰囲気があった。
そんな二人に「本当にそれでいいのか?」と琥珀が問いかけたその時、星砂時計が強い輝きを放ち瞳美を、そして瞳美を助けようとした唯翔を飲み込んでしまう。
気付けば、唯翔は不思議な空間に一人いた。
瞳美の姿を探し始める唯翔だったが――。
感想
掛け値なしに「素晴らしい」と言えるアニメだった。
描写の美しさもそうだが、「時間移動」というギミックだけに頼らず、キャラクターそれぞれの心の動きを中心に描く脚本も素晴らしかった。
未来の琥珀にとっては「既に終わってしまった過去」だったが、逆に言えば瞳美がこれから辿る苦難の道を知ってもいたわけで……あの穏やかな笑顔の裏には様々な苦悩もあったのだろう。
「やっとあなたとお話できるわ」という言葉の中に込められた複雑な感情を思うと、切なさも増そうと言うもの。
魔法写真美術部の面々の未来については殆ど語られなかったが……瞳美が涙を浮かべながら参っていた墓は、やはり唯翔のものなのだろう。
「小さい頃に読んだ絵本」という瞳美の言葉を唯翔がずっと覚えていて、あの絵本を描き上げたのかと思うと……。
絵本の中の描写を見るに、将はあさぎの傍にいることを選んだようにも受け取れた。
唯翔からの「近況報告」も混じっていたのではないかと思うと、より切なくなる。
他の面々のその後も気になるが、あえて明示的に語られなかったことを考えると……おそらくは「そういうこと」なのだろう。
何気に一部視聴者の予想通り、琥珀の伴侶が一柳だったことにはニヤリとしてしまった。
瞳美が一柳と出会った時の微妙な表情は、正しく伏線だったらしい。
近年では珍しくなってしまった、純粋な現代ファンタジーだった本作。
この余韻に浸りつつ……真剣に円盤購入を悩んでしまっている(苦笑
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