たこわさ

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Re:CREATORS #22「Re:CREATORS」感想

ねんどろいど Re:CREATORS メテオラ ノンスケール ABS&PVC製 塗装済み可動フィギュア


今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

アルタイルは世界を壊す事ではなく、シマザキセツナの存在を繋ぎ止める事を選び、去っていった。
戦いは終わり、「エリミネーション・チャンバー・フェス」も大盛況で幕を閉じた。

残された被造物達も、次第にその超常の力を失いつつあり、元の世界――あるいは分岐したそれぞれの世界へと帰るべき時が刻一刻と近付きつつあった――。

感想

まるまる一話エピローグであり、全体的にゆったりとしたテンポだったにも拘らず、30分を非常に短く感じてしまった。
被造物の誰かはこの世界に残り続けるのではないか? とは予想していたが、なるほど、メテオラは実に適役だった訳だ。
そしてあれだけ丁寧なエピローグでありながらも、その後を全く触れられなかった築城院も、また。

メテオラの魔法が消えていったように、築城院も次第に「ただの人間の少女」に変化していったのだろう。何の能力も後ろ盾も持たないが、生き方だけは曲げられないという築城院の末路は、予想するのも野暮というものかもしれない。
あるいは、メテオラのように積極的にこの世界の人々と関わり、一員として暮らしていくつもりの無かった築城院は、修正力によって既に消えていたかもしれない――し、もし続編があるとしたらしれっと出てくるかもしれない(笑)。
まあ、これだけ綺麗に終わった物語で、続編はまず無いだろうが。

世界の一員として残る事を選んだメテオラの、表情の変化の描き方が秀逸だった。
以前と同じ無表情にも見えるが、颯太からの返信に少しだけ頬が緩み優しげな目を見せるという細かい「芝居」、以前の彼女ならば着なかったであろう、女性らしさを感じさせるファッションも。

何というか……颯太とメテオラのこの距離感は実に好みだった。
お互いに一定の距離を保ちつつも、本質的にはイチャイチャしているというか……。
シマザキセツナの墓参りに、メテオラだけがついていっていた、というのもなんだか示唆的だった。*1

創作者側の矜持、苦悩、エゴ、喜び……そういったものがふんだんに盛り込まれたメッセージ性の強い作品でありながらも、一つの物語としても素晴らしい出来だった。
ほんの少しでも自分で創作した経験のある人間の心にも、届くものがあったのではないだろうか?

原作者による原案テキスト集を読めばもっと理解が深まるのだろうが……今は、アニメと公式サイトでの記述のみで、本作の余韻に浸りたいと思う。

*1:あえて調べていないが、颯太とメテオラのカップリングは結構人気なのではないだろうか? この二人は、中々のバカップルになれる素質があると思う。