終末のイゼッタ　第9話「ゼルン回廊、燃ゆ」感想

今回の満足度：5点（5点満点中）
（以下ネタバレ）

あらすじ

ブリタニアでの会議で各国政府の協力を取り付けてから約三ヶ月、ゲルマニアの大規模侵攻もなく、イゼッタは周辺国のレジスタンスを支援する作戦に従事していた。今や世界にイゼッタの力を疑うものはなく、全ては順調に進もうとしているかに見えた。だがある日、ゲルマニアが対イゼッタ用と思しき新兵器を携え再侵攻を開始する。そういった兵器の登場を予見していたエイルシュタット軍は、イゼッタと共にゲルマニア軍を撃退すべく出撃するが、彼らはまだ知らなかった。ゲルマニアが「本当の白き魔女」を擁している事を――。

感想

急激に話が動いた印象があるが、考えてみればあと４話程度で終わるのだから、ここからクライマックスを迎えてもおかしくはない。
謎の少女・ゾフィーの正体は、意外や意外、伝説の白き魔女その人だった。この世界観では科学技術も第２次大戦準拠かと思っていたので、クローン技術が確立されているとは予想外。しかも、魔女の力の影響なのか、どうやら記憶を保持している様子。最初はゲールに都合がいいように「真実の白き魔女の物語」を刷り込まれているのかとも思ったが、今のところ本人の人格も蘇っている公算が高い。そうなると「白き魔女」はゲール側に伝承通り悲惨な最期を遂げた事になり……なんとも救いがない。甘い考えかも知れないが、もう一つどんでん返しがあって欲しいとも願ってしまう。*1

旧城から奪われた宝石の正体は、どうやら周囲の魔力を奪い蓄えるものの様子。一方的に周囲の魔力を独占できる訳で、対魔女としても強力なだけでなく、レイラインの通っていない地域でもある程度魔法が使えるのであれば、戦術レベルを超えて戦略レベルの戦力にもなり得るかもしれない。

首都もあっさり陥落し、どう考えてもエイルシュタット及びイゼッタ側は「詰み」だが、逆転の切り札はそれともジークが隠し持つ袋の中身――推測に過ぎないが恐らくはゾフィーの宝石の割れた片割れ？――か。もしくは臆病なアトランタが対ゲールに全力を出してくれて戦況が膠着状態に入る、などか。