たこわさ

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コンクリート・レボルティオ〜超人幻想〜 第10話「運命の幻影」感想

今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

超人犯罪者を人質に取った立てこもり事件が起きた。犯人は超人犯罪者に騙され全てを失った老人。超人課の立場としては超人達を保護しなくてはならないが、誰の目から見ても「被害者」なのは老人の方であり、何とか彼を救えないものかと悩む爾朗。しかしそこへ、独自の理念から「悪」と断定した存在を片っ端から抹殺する集団「インフェルナル・クイーン」通称IQが現れ、犯人の老人も超人犯罪者もまとめて殺戮してしまう。
IQは超人課をも「悪」と断定し攻撃対象としていた。課員達が善後策を話し合っていた所、公共保安部長の赤光が乗り込んできて、芳村がIQのリーダーと同一人物ではないかと疑いの目を向けてくる。赤光が入手したIQのリーダーの写真は確かに芳村と瓜二つ。IQが襲撃した時、芳村は課員達と一緒にいたが、時間を操作できる彼ならば、同時に別の場所にいるように見せかける事も出来る。説明を求められた芳村は――。

感想

「時間改変で大きな矛盾が発生した場合、時間はそれを放置する」というタイムパラドックスに対する回答の一つは、主流ではないもののそれなりにSF作品で多用されているものですね。私的には時間の強制力・修正力が働いて改変自体が起こせない説や、その時空そのものが消滅する説よりも好みなタイプの処理方法です。結局、人間の手で介入する余地があるわけだから、歴史の整合性そのものが堅牢な訳はなく、時には入れ子構造のような矛盾や限定的なループ状態の発生も有り得る、というタイプの類型とも言えるでしょか。過去のアニメ作品では「ジェネレイターガウル」、最近では「バディ・コンプレックス」なんかもこれに近い説を採用していたましたね。
――それはさておき。
芳村ことジャガーさんの正体については今まで散々あからさまな前振りがされていましたので驚きはありませんでしたが、彼は何者かに「発見」される事を危惧していたような節があったので、てっきりタイムパトロールに裏切者として追われているとかそういった展開になるかと思ってました。むしろ今回の描写からは、芳村の行動自体も「今の」タイムパトロールにとっては織り込み済みみたいな雰囲気も感じてしまいましたね。輝子に捕えられていた若いスーパージャガーが未来に戻ってきた際に「私は今超人と呼ばれていますか?」と上官に問うた一連のシーン、上官の笑みはもちろんなんですが、スーパージャガーがその質問を口にした事それ自体が何らかの含みを持たせてあるんじゃないかとも思ったり。
輝子が芳村を消滅させないようにとっさにとった行動についても、直感とかそういったもの以上の何かを感じてしまいました。