たこわさ

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GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 第11話「来訪者」感想

今回の満足度:4点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

日本と帝国が開戦してから既に五ヶ月――アルヌス周辺では次第に人が行き交うようになり、避難民キャンプ周辺に少しずつ街が出来つつあった。多少のトラブルはあるものの、概ね上手く回りつつある異文化交流の現場を微笑ましく見つめる伊丹達だったが、彼らは一つの懸案事項を抱えていた。テュカが毎日のように、死んだはずの父親の姿を求めて街を探し彷徨っていたのだ。
何とかテュカの力になりたいと進言する黒川に対し、いつ帰還命令が出るかも分からない自分達では責任をもってテュカの面倒を最後まで観ることはできない、と上官として現実を突きつける伊丹。正論ながらも薄情とも言える伊丹の言葉に黒川は激怒して立ち去ってしまうが、同席していたロゥリィはそれも伊丹の優しさなのだと気付いていた。伊丹を労わるかの如く酒を進めるロゥリィだったが、内心では酔いつぶれた自分を介抱させその流れで伊丹を籠絡してしまおうと画策していた。しかし、思わぬ来訪者がロゥリィの野望を灰燼に帰すことに――。
一方、帝国では日本からの情報を持ち帰ったピニャ皇女が両国の講和に向けて内部工作を進めていた。日本の外務官僚・菅原の協力のもと、捕虜となった子弟の開放や帝国内でも珍重される日本の伝統工芸品や嗜好品などを餌に、着々と主戦派貴族を切り崩し――。

感想

※原作は未読です。
冒頭の色気の欠片もないだらしなさすぎるレレイの寝起き姿に何事かと思わされましたが……彼女の出番があそこだけだったところをみるに、ただ単に「出オチ」だったようですね。
アルヌス難民キャンプの周りが短期間であんな見事な街になっている事にはビックリ。見た目は現地の建築様式の街並みですが、ミュイが気前よく派遣してくれたメイド達が仕切っていて、日本謹製の商品が売買されていて、元捕虜のハーピー少女がロゥリィと一緒に警らしていて、住民達は「緑の人」の正体を知っているどころかある程度ツーカーの関係という……実質城下町、ですわな。見事な異文化コミュニケーション。しかも町の建築資金は多分、レレイ達が販路を確保した飛竜の鱗、と。町政がどんな仕組みになっているのか少々気になりますが、多分組合が自治組織を兼ねているのでしょうかね?
さて、テュカの異変については散々描かれてきていたので今更驚きようもないのですが……ほんの少しだけ「実はとーちゃん霊魂になってテュカに憑りついてるんじゃ?」とか思ってただけにやはりショック皆無という訳にはいきませんでした。心情的には黒川の意見に賛成なんですが、伊丹の言っている事が正論過ぎて……。もし、テュカに寄り添って真剣に彼女が完治するまで付き合うのならば、いざ自衛隊に帰還命令が出た時にはそれに背いてテュカを取らなければいけないし、自衛隊というバックアップがなくなっても彼女と一生添い遂げる位の覚悟がなければただの偽善に終わってしまう、という事でしょうかね、伊丹の言いたい事は。もちろん、今の体制化でだって「災害被害者」であるテュカに対しては手厚い援助が見込めるわけですが、きっと黒川が望んでいるのはそういう形式的システム的対応ではないのでしょうし。

で、そういう事を理解した上で伊丹を労いつつあわよくば物理的な意味での契約を結んでしまおう(隠語)と虎視眈々と狙ってらっしゃるロゥリィ聖下が今回も非常に魅力的ですわ。年長者らしく伊丹を慰めているのかと思いきや、どちらかというとその後の事の方が本命だったらしく……今回初登場のダークエルフさんは、こりゃあねちっこくロゥリィに弄ばれるフラグが立ったんじゃないかな、と(笑)。ロゥリィの遠まわしな嫌がらせ――緑の人に用がある(助けを求めている)という彼女自身にかの緑の人の代表格である伊丹に剣を向けさせてなんともものを頼みにくい状況緒にする――が実にツボ。ダークエルフさんは早くもポンコツ属性だか不幸属性とかが付きそうですね。

一方の殿下は帝国内で着々と講和への足固めを進めつつあるようで。流石にホームグラウンドに戻れば実に凛とした態度を見せてくれますが……私的には予想外に次ぐ予想外に振り回されて頭を抱えているポンコツ殿下も好きなのでそちら方面での活躍も期待。