たこわさ

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うしおととら 第九話「風狂い」感想

今回の満足度:3点(5点満点中)
(以下ネタバレ)

あらすじ

衾との戦いを追え空港を後にした潮ととらだったが、潮が紫暮から受け取った路銀を無くしてしまう。途方に暮れる潮が街中を彷徨っていると、突然「鎌鼬」と呼ばれる妖怪の兄妹が襲い掛かってくる。獣の槍で一蹴する潮だったが、彼らの真意は潮の実力を見極め、ある依頼をする事にあった。
鎌鼬の兄妹――雷信とかがりの依頼、それは彼らのもう一人の兄弟・十郎を殺してほしいというものだった。兄弟を殺せという依頼に激昂する潮だったが、十郎が繰り返し故郷を追われたその恨みから近隣の人間を殺戮しているという話を聞き、彼らの話に耳を傾ける事に。しかし、その場に当の十郎が現れ――。

感想

原作では好きなエピソードの一つだったが、こうしてアニメ化されたものを見ると色々と腑に落ちない部分が多かった*1
潮がジャングルジムのエピソードを持ち出して十郎に同情を示し謝罪するシーンについては……潮の真っ直ぐさがむしろ不快に映ってしまった。もちろん、潮の涙は本物のものだが、恨みが深い者にとっては「安い同情」にしか思えないのではないのか? と。今回は、元々は心優しい十郎が相手だったから潮の本物の涙を汲んでもらえたが……。
雷信とかがりがわざわざ潮に十郎の殺害を依頼してきた件も、何故彼らが自分達で手を下さないのか、その辺りの説明が無かったのには大きな違和感を覚えてしまった。
終盤で潮の助けを求める声に多くの人間が応えるシーンも、あまりにも性善説に寄り過ぎていて、いまいち感情移入出来なかった。せめてもう一言、彼らが悩むもしく義侠心に火を付ける言葉を口にしていたのならもう少し印象は違っていたかもしれない。

しかし、原作を知っていると、かがりの感情的過ぎる様子を少々意外に感じてしまった。「最初はこうだったのか」と、記憶がおぼろげになりつつある古い作品と媒体を変えて再会した時の醍醐味の一つを楽しめた気分。

*1:アニメ化によって改変された部分は加味しない。