たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

響け!ユーフォニアム 第九回「おねがいオーディション」感想

原作未読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

オーディションが近付く中、部員達の練習にも熱が入り始めていた。しかし、何故か緑輝は練習に身が入らず、副部長に叱られる始末。緑輝は秀一への告白の件で自分を煽った事の責任を感じているのだと察している葉月は、彼女がこれ以上気に病まぬよう、自分が既に割り切って気持ちを切り替えている事を伝える。久美子に対しても、自分の想いを主張する事で久美子が秀一に対して一歩退いた態度を取るように誘導していた事を告白し、更には久美子の秀一への自覚しない想いを指摘する。久美子は「秀一とはそんな関係ではない」と繰り返すが、あまりにも無自覚な久美子に葉月は苦笑するのだった。

緑輝も元気を取り戻し――しかし秀一とは相変わらず会話できないまま――オーディションに向けて最後の追い込みをかける久美子だったが、以前はやる気のなかった夏紀が練習に励み上達している様を目撃し、今更ながらオーディションが先輩達との競い合いなのだと自覚してしまい、もやもやした気持ちに陥ってしまう。
そんな久美子の様子を見た麗奈は――。

感想

葉月がいい娘過ぎて、当初の印象とは180度変わりつつあります。アホキャラと思わせておいて、実は面倒見とか察しがいい、姉御肌というよりは縁の下の力持ちという、吹奏楽では初心者だけど人間としては久美子達より少しだけ大人びているというコントラストが小気味よいですね。
一方、久美子の場合は、普段からほけーっとしている割にズバッと切れ味鋭すぎる本音を言ってしまうという一見図太そうな性格だけれども、メンタル面では弱いというか未熟であり、葉月や麗奈に支えられて頑張っていくのだな、と思うとある意味主人公らしいな、と思ったり。
副部長は……いよいよ真骨頂を見せ始めました。「面倒見のいい先輩」という姿は、前回も書きましたが効率を上げるためにそのように振る舞っているだけで、本来の彼女は今回のように無駄を極端に嫌う性格なのでしょうね。目の光が死んでいるくだりがものすごく怖かったw

しかし、滝先生はやっぱり鬼畜ですよね。ただオーディションをやる、というのなら全国を目指す部の顧問として至極当たり前の事ですが……「恥じぬ量の練習を重ねてきた」という前振りは裏を返せば「どんだけ練習しても現実は非情」と言っているのと同義な訳で。これで心が折れてしまう部員もいるでしょうに。ただ、全国を目指すというのはそういう事ですし、そういった非情な現実に直面しても向上心を捨てない部員を育てる、という意味もあるのでしょうね。


以下、余談

今回のエピソードを観ていて中学時代の部活(テニス部)の先輩の事を思い出しました。その先輩の世代は数にも質にも恵まれていて、レギュラー争いは熾烈を極めていました。はっきり言って実力はお察しレベルだった先輩は、当然の事ながらレギュラーにかすりせず、諦観にも似た思いが練習態度にも溢れていました。
しかし、そんな先輩にもチャンスが巡ってきました。普段よりも少しだけ出場枠の多いある大きな大会を前に、レギュラーも微増して臨む事になりました。その時先輩は三年生で、最後のチャンスを活かす為にひたむきに練習を重ね目に見えて実力を付けていきました。
でも、現実は非情でした。上級生がレギュラー枠を占める中、最後の一人には経験も実力もとびぬけていた新人が選ばれました。緩い部活ではなかったので当たり前の処置だったのですが……。
結果が下された途端に、先輩は号泣しガットがボロボロになるまでラケットを(ネットの)支柱に叩きつけ、そのまま走り去ってしまいました……。私もへたっぴでしたが、その先輩ほどひたむきに練習できませんでしたし、私の代は層が薄かったので数合わせにあっさりレギュラーに選ばれたりで、結局その悔しさを共有する機会は得られず……。むしろあれだけの情熱を燃やす事に憧れさえ抱きましたが、本人としてみればそんなことは何の慰めにもならなかったのだろうな、と。
また救いが無い事に、そのレギュラーを掠め取った新人と言うのが表ではいい顔しつつその実、先輩をなめきった性格最悪の奴で(以下罵詈雑言が続く為自粛