たこわさ

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アルスラーン戦記 第九章「仮面の下」感想

原作は遥か記憶の彼方……。漫画版は流し読み程度。なので、原作知識は踏まえない感想となります。
(以下ネタバレ)

あらすじ

カーラーンの死により全ての事実を明るみにする事は出来なかったものの、アンドラゴラス王の存命を知る事となったアルスラーン達。ダリューンナルサスは、敵情視察を兼ね王の所在を探るべく王都エクバターナに潜入する。王都の惨状、そして大司祭ボダンが神の名の下に行う蛮行の数々に、二人は静かに怒りを燃え滾らせる。途中で遭遇したカーラーン一派の残党から、王の所在はごく一部の人間しか知らない事、ルシタニア王がタハミーネを自らの妃に迎えようとしている事を知った二人は、更に情報を集めようと自分達を餌に敵をおびき寄せようと二手に分かれる。
ナルサスと別れたダリューンの前に、銀仮面卿ヒルメスが現れる。互角の剣戟を繰り広げる二人だったが、ヒルメスヴァフリーズの仇である事を知ったダリューンは怒りを糧としてヒルメスに猛攻を加え、彼の仮面を斬り飛ばす。しかし、仮面を剥がれた事により今度はヒルメスが激昂し――。

一方、アルスラーンエラムと共に近隣の村へ水の調達に来ていた。エラムと離れた際、ルシタニア兵が村人に暴挙を働いているのを目撃したアルスラーンは、危険と知りつつも彼らを救う為に兵達に立ち向かう。多対一の不利な状況を強いられるアルスラーンだったが、その時ルシタニアの小隊長であるエトワールが姿を現し、暴挙を働いた兵達を一喝、その場を離れさせる。思わぬ場所で旧知の人物に出会った二人は――。

感想

ボダンは真正の下衆ですね……。狂信、という言葉でさえ足りないような。人格であるらしいエトワールでさえも、イアルダボート教の事となると物凄く視野が狭くなっていますが、他の将兵にはあそこまでの狂信は見受けられないので、ルシタニアも国教のもとに一つ、という訳ではない様子。イノケンティス王もボダンにいい印象は持っていないようですし、やはりギスカール辺りが民を扇動しやすいように利用しているのかな、と。しかしそれもここまで暴走してしまっては逆効果のように感じますが。
エトワールがアルスラーンイアルダボート教聖典を投げてよこした件は、何かの伏線なんでしょうかね。アルスラーンの事だから聖典の教義とボダンらの行為の矛盾を発見して糾弾する、までやりそうなw
ダリューンをもわずかに上回るヒルメスの剣技はまさに恐るべし、といった所。最早常人ならざる力すら感じてしまいますが、彼に協力する怪しげな連中の存在が関係しているのか、純粋に彼の天賦の才なのか。