たこわさ

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やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続 第9話「そして、雪ノ下雪乃は。」感想

第一期視聴済み。原作既読ですが、基本アニメで描かれた部分のみの感想とし原作の話は補足程度に控えます。
(以下ネタバレ)

あらすじ

あの「告白」の翌日、八幡は雪乃と結衣を伴い合同クリスマスイベントのミーティングへと乗り込む……が、予想以上に何の進展もない空回りな状況に、流石の雪乃と結衣も絶望感と疲労感とを隠せない。抜本的な対策が見えない中、まずは手を付けやすい予算について相談する為、いろはと共に平塚へ相談しに行く。
八幡が雪乃と結衣を伴っている様子に、平塚は八幡にだけ分かるように安堵を示す。更に、イベントの現況を把握した上で彼女は、「クリスマスの何たるかを知ってこい」と、彼らに「ディスティニーランド」のチケットを渡してくる。乗り気の結衣に対し、ディスティーランドのキャラクター・パンさんの大ファンではあるものの人混みが得意ではない雪乃は難色を示す。先日までギクシャクした関係だった事も手伝ってしまっている事を察した八幡は、そんな彼女に対し「小町へのプレゼントを買いたいので詳しい人に見立ててほしい」とそれらしい理由を与え、ランドに行く事を了承させる。彼らといろは、そしていろはが誘うもう一人を加えた5人でディスティーランドに行く事になったのだが、当日舞浜駅に揃ったのは奉仕部の三人、いろはと彼女に誘われた葉山……と何故か戸部・三浦・海老名という大所帯になっていた。
仕方なく彼らと様々なアトラクションを巡る八幡達は、その合間に口実にしていた小町へのプレゼントを買う為に売店に寄る。そこで二人きりになった時に、結衣は文化祭の時に保留となっていた「一緒にどこかに出かける」という約束の事をそれとなく八幡に切り出す。それに対し八幡は、やはりそれとなくそれを了承し、ほんの少しの一歩を踏み出す。
他方、雪乃は八幡と二人きりになった際、姉の陽乃の話を持ち出し「姉の影を追う気持ち」が少し薄れた事を打ち明ける。しかしそれでも「自分には何もできない」と嘯く彼女は、「いつか私を助けてね」と謎の言葉を八幡に伝える。
日が落ちて、夜のイベントである花火が打ち上がる。雪乃と結衣と一緒にそれを眺める八幡だったが、彼の視界に真剣な表情で葉山に何やら訴えるいろはと、それを拒否しているらしき葉山の姿を認める。やがて、いろはが葉山のもとから泣きながら走り去り――。

感想

あらすじを上手くまとめられず長くなってしまいましたが、つまりはそれだけ濃密なお話だったように思えます。ミーティングの件を省略して、他の場面をしっかり描写したのが大きいかもしれません。原作では今回省略された部分にも面白いやり取りがあったのですが……肝心要の部分をきちんと描いてくれていたので、アニメ組の皆様もご安心ください。

さて、八幡の「後になって恥ずかしさのあまり自宅で一人身悶えする」位に本気の飾りない告白のお蔭で、再び三人で奉仕部の活動を出来るようになりましたが……やはり全て元通りとはいかない訳で。特に雪乃は、八幡と結衣との距離を測りかねている様子。しかしそれでも、結衣は以前よりも雪乃にくっつこうとしますし、八幡はそんな結衣をさり気なくサポートする為に雪乃を気遣うという。ん? なんだこのゆきのんハーレムw

八幡は、あの「告白」を契機に変わろうとしているように感じられますね。もちろん、人格や性格が変わるわけではなく、あくまでも「リソースの配分」を雪乃と結衣との関係に傾けるようになった、という事なのでしょうが。雪乃がディスティニーランドの件を了承するようにそれとなく誘導したり、以前は言葉を濁した結衣との約束――二人でどこかに出かける――に対し、不器用で遠まわしながらも「YES」と返答したり。後者はあれこれヒッキーデレてない? 等と思ってしまう訳ですが、恐らくそれは私がガハマさん派だからなのかなー、と。八幡は自分自身の気持ちにも理屈つけて疑問を持つような奴なので、彼の中で答えが決まっている訳ではないよな、とも思い。ここら辺の機微はまだよく分かりません。

雪乃の八幡に対する言葉、「いつか私を助けてね」の真意もいまいち分かりません。八幡がナチュラルにいろはの荷物を持ってあげる様を目撃して、ガハマさんは酷く焦り、雪乃は物凄く冷たい視線を送りました。そのまんま解釈すると、結衣と同じく雪乃も嫉妬に近い想いを抱いた、となりますが……「私を助けてね」という言葉には恋とかそういったものではない、全く別の何かを八幡に求めているようにも思えます。「ラブコメ」と銘打ちつつ、実はメインヒロインは全然ラブコメってないような気もしてしまう、と。

方向性は違えど、今回は奉仕部の三人がそれぞれの「一歩踏み込む」態度を見せてくれたエピソードになりましたが、もう一人「一歩踏み込んだ」キャラクターが――いろはすです。戸部に頼んで(脅して?)葉山と二人きりの状況を作っておいて、会話の詳しい内容は分からないまでもあからさまに告白→玉砕した様子。泣いて走り去る彼女の姿からそれは明白ですが……今まで着実に「地固め」してきたはずの彼女が何故こんな難しいタイミングを選んだのか? 流石の八幡も呆気にとられていましたね。何だかんだ言って、八幡にとっていろはすは、あざといし腹黒いけど手間のかかる可愛い後輩なようなので、彼女の恋の行方も気にかけていたのでしょうから。多分。恐らく。もしかすると。
しかし、走り去るいろはすを見送るシーンでの、奉仕部三人の視点の違いが色々と興味深いですね。ガハマさんはいろはすが走り去る姿に呆気にとられながらも心配し、雪乃はいろはを振ったであろう葉山の姿を見て呆気にとられ、八幡はその両方、という。雪乃が何に驚いていたのかは分かりませんが、八幡が目撃した葉山の表情からは、ここ最近描かれてきた彼の抱える影の部分が表れているようにも見受けられ。
クリスマスの何たるかを学びに来たはずなのに、後輩の失恋の瞬間を目撃してしまったって……ああいや、クリスマス玉砕もある意味風物詩だからある意味では目的達成してるのか!(違