たこわさ

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シドニアの騎士 #09「眼差」感想

原作未読。
(以下ネタバレ)
奇居子が胞衣で再現した星白はシドニアの研究施設に運ばれていた。まるで生前の星白の記憶を受け継いだかのように自分の名前を呼んでくれるその胞衣に、長道は夢中になるが――。

「もし、人間の記憶も感情も完璧に復元されたクローンが存在したらそれをなんと呼べばよいか?」というのは古典的なSFでよくある命題で、クローニングによる延命が一部の人間に対して実際に行われているシドニアにおいては、きっとある一定の答えが既に存在するものと思われます。それは、今回落合の人格が封印を解かれた描写からもある程度うかがう事が出来ます。
しかし、その答えがどんなものにせよ、奇居子の胞衣で複製された星白がいかに元の人格を備えた存在だったとしても、やはりそれは奇居子によって何らかの目的で造り上げられた紛い物でしかないようで、奇居子としての本能によると思しき「カビザシの在処を本能的に察知し注目してしまう」という行動を取りました。たとえ外見も人格も肉体的機能でさえも複製できていたとしても、あれはやはり奇居子の肉の一部に過ぎないのだという残酷な真実がそこにあります。
連戦に次ぐ連戦の中でも長道は戦果を上げ続けましたが、胞衣・星白が彼の慰めになっていた事は想像に難くなく、その残酷な真実を受け止めなければならない段になって、彼は一体何を思いどう行動するのか? イザナと纈が何やら彼を気分転換させようと頑張ってますが、むしろ逆効果にならないのかどうかちょっと心配な。

そういえば、前回「不死の船員会」の一員である事が明かされたイザナの祖母ですが、全然老けないおばあちゃんの事を家族はどう思ってるんでしょうね? 一応、不老不死の件はシドニアの中では機密事項になるようだし。一体どうやって誤魔化しているのやら。