たこわさ

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凪のあすから 第9話「知らないぬくもり」感想

(以下ネタバレ)

地上に降るはずのないぬくみ雪が降った次の日、異常気象を気にかけながらも光達は自分達の手でおふねひきを実現しようと再び奮起する。しかし、その準備のさなか、紡の何気ない一言で傷ついてしまったちさき、彼女を案じる要は一足早く海村へ帰ってしまう。そして彼らが目にしたのは海村の異様な光景で――。
Twitterでも書いたんですが、私は当初から紡というキャラクターにあまりいい印象を持っていませんでした。というのも、彼は確かに善人であり他の同級生よりも冷静で大人びていて能力も高く人が悩んでいたら適切な言葉を投げかけてあげる事の出来る聡さを持った人間でありながら、どこか他人の感情に疎い、ある種の無神経さを兼ね備えていると感じずにはいられなかったんですよね。
まなかに対して率直に「(えなが)綺麗だ」と言ってしまったり、複雑な感情が胸中に渦巻いているまなかに正論を突きつけてしまったり。どこか「優しさ」とは違う感情を彼から感じてやまないわけで。親元を離れて祖父の下で暮らす彼には、いまだ描かれていない心の病巣があるのだろうな、と。
さて、一方でまなかの為に大人になろう、彼女の思いを尊重しようと踏ん張ってきた光ですが、頑張れば頑張るほど自分の気持ちを思い知ることになってしまう上に、当のまなかは変わらずに光を慕い基本彼の為に行動してくれている訳で、感情の押さえが利かなくなるのもやむなしといった所。思わず抱きしめてしまった彼の行動はもちろん褒められたものではないのですが、それでもまなかの全力の拒絶の方が酷すぎたので思わず同情してしまった次第……。
「ひーくん、なんだか怖い」とか口で言うならまだしも、全力で振り払いましたからね……。紡と一緒で、まなかも悪意がないのに他人の気持ちを良くも悪くも刺激してしまう名人だよな、と。
しかも地上を襲う災厄はすぐそこまで迫っているようで。センシティブな少年少女達の葛藤に、個人の力ではどうしようもない天災まで降りかかって、この先どうなってしまうのやら。