絶園のテンペスト 第十六幕「徘徊する亡霊」感想
原作知識は連載を流し読みしてる程度でうろ覚え。
(以下ネタバレ)
半分位オリジナルの脚本だったようですが、大きな違和感は無し。
むしろ久々に吉野が感傷と感情から無茶な行動を起こすという熱い所が描かれていて彼の主人公としての属性補強がなされた感があり。また、葉風が吉野に対する想いを再認識する件や吉野という男が一体どんな人間なのか改めて理解したところなど、彼女の恋愛感情が単純なものではないことを示す描写がなされたところも大きいかと。
一方で、哲馬の吉野への認識が葉風と正反対だったり、現時点で(吉野の彼女の正体を知っている件も含め)最も客観的な視点で吉野の人となりをしる28歳(無職)さんをして「(吉野の本心が)分らない」と言わしめる所などは、同じ事実を前にしながら結局人間は自分の立場でしか物事を見られないし本当の意味で分かり合うことなど出来ない、というメッセージがこめられているようで何とも皮肉めいていますね。
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