「ブレイクブレイド」(11)限定版 感想
- 作者: 吉永裕ノ介
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: コミック
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(以下ネタバレ)
ボルキュスを屠り名実共にクリシュナの英雄となってしまったライガット。だが、「友の復讐」の為にボルキュスを殺してしまったライガットの心には今までなかったどす黒い感情が芽生え始め……。
一方、連敗に加えボルキュスという「英雄」を失った事で劣勢に立たされたアテネスでは、ゼスをはじめとする軍の面々が岐路に立たされていた。上官ボルキュスと部下ニケを同時に失い戦場から逃げる事を選択したイオ。クリシュナの人々との交流も後押しとなったのか、ゴゥレム乗りとしての比類ない才能を自他共に認められながらも除隊を決意したクレオ。そしてゼスは……。
以前から示唆されていた、ゼスとその兄であるアテネスの実質的最高権力者ロキスの奇妙な関係。兄を慕い全力で支えるゼスと、優秀な将であり自分に忠誠を誓っている弟に対して冷たい態度をとり続けるロキス。今回、断片的ではありますが兄弟の間に溝が出来た原因らしき過去の事件が明かされ、そして病倒れ余命幾ばくもなくなったロキスがゼスに「全てを託す」と告げたことにより、ゼスの中の迷い――親友達と殺し合いをしなければならないこと。ロキスは自分を「駒」としてしか見ていないこと――は全て吹き飛び、再びクリシュナとの戦争の為に動き始める。
そんなアテネスの急転直下の状況をまだ知らぬクリシュナでは、ホズルとシギュンの関係にも変化が。ホズルが離縁状を自分に突きつけた理由を実は知っていたシギュン。その事を知らされたホズルは思わずシギュンを抱きしめ――る幻を見てしまった。シギュンの前でもライガットの前でも強がって見せたホズルでしたが、ようやくその本心が明かされました。彼は、「王妃」としてではなく「一人の女性」としてシギュンを狂おしいほどに愛している。主要登場人物の中で一番本心が見えにくい彼でしたが、それもそのはず。誰もよりも――恐らくゼスよりも――「自分を殺して」戦っていたのは他ならぬホズルなのでした。
ホズルの「進め」もあり、除隊し実家に帰る事になったライガットを「家まで送る」と半ば無理矢理同行するシギュン。彼女の行動は果たして吉と出るか凶と出るのか……。
相変わらず、クリシュナの面々はライガットとシギュンに優しすぎますなぁ。もちろん、ホズルがその最たるものなんですが、二人を見送っておいていなくなってからブツクサ文句を言い始めるナルヴィさんの姿とか、なんというデレツンw
- 作者: 吉永裕ノ介
- 出版社/メーカー: ほるぷ出版
- 発売日: 2012/11/12
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