Fate/Zero 第十ニ話「聖杯の招き」感想
(以下ネタバレ)
幕間、というか最近おざなりにされていた切嗣と言峰の心理描写回、と言った方が適切か。
冷徹を装いながらも無意識のうちにキャスターの行為に苛立ちを感じている所が、なんともアンバランスな切嗣らしいですね。
一方の言峰は、ギルガメッシュからの熱いラブコールにもうメロメロのようです(ちょっと違
他者の苦しみや嘆きといった感情に強く心を惹かれる自分をどこかで認識しながらも、それは人として、聖職者としてありえない外道の行いであると自らを厳しく律してきた言峰。強い理性でもってその感情を秘してきた彼ですが、この世のあらゆる愉悦を知るギルガメッシュには、その姿が酷く滑稽な愛でるべきものに見えたのか。
会話の中から相手の感情の隙間を見出し、そこに鋭くメスを入れ開腹していく――「Fate/stay night」では言峰お得意の会話術として度々登場していますが、その元祖はギルガメッシュだったのか! と思わず膝を打つような展開。
「Fate/stay night」といえば、今回登場した日本家屋及びその敷地内にある土蔵の光景に、旧作ファンは思わず感激したのではないでしょうか? 特に、未来においてセイバーが召喚されるきっかけになったあの魔方陣が、アイリスフィールの手によるものだったという設定はなんとも秀逸。
さて、そのアイリスフィールはあれほど楽しんでいた車の運転も出来ない程に弱った状態に。前回の時点では、彼女はまだそんな状態ではなかったわけですから、原因として考えられるのは――。
前回あれだけライダーとアーチャーにやり込められたのに、ちゃんとアイリスフィールの異常に気が付いて気を回せるセイバーは、本当に一人の「騎士」としてはこれ以上ない位に頼りになる人物なんですよね……。