たこわさ

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このイカレタ世界へようこそ!「アリス・イン・ワンダーランド」感想

世紀末救世主伝説――ではなく、ティム・バートン監督・ジョニー・デップ主演の「アリス・イン・ワンダーランド」を遅ればせながら3D字幕版にて鑑賞してまいりました。
(以下、ネタバレ感想)
いやいや、予想はしていましたが、シナリオはディズニー映画の典型*1まんまでございました。決してつまらなくはないんだけれども、いい大人が熱く語れるようなものじゃないというか――いや、典型的なディズニーシナリオでも十分に大人の鑑賞に耐えるものは少なくないからやっぱり不出来なのかもしれませんが。
それはさておき。
そもそもシナリオには全く期待していなくて、ティム・バートンによるイカレタ世界描写とジョニー・デップの怪演だけを目当てに行ったので、その点では非常に満足な出来でした。
一部には「デップ様の素顔が見られなかった」なんて感想もあるようですが、いやいやむしろ素顔が見えないからこそ、デップ様の演技が光るんじゃないかな、と*2。そもそもデップ様の代表作って素顔が見えるもの少な(ry
さて、本作は名作「不思議の国のアリス」及び「鏡の国のアリス」を一応の原作としていて、作中にはそれら作品へのオマージュもいくつか登場するんですが……その多くが(原作を踏襲した)言葉遊びの数々であり、私程度の英語力だと「???」と必死に頭の中で訳している間に話が進んでしまって、正直100分の1も楽しめなかったです。というか、英語力がある人でも初見じゃ無理なレベルかも。原作をあまり知らない人にとっては、「何を言っているんだお前は?」状態だったのではないかと。

全体を通してそういった部分が多い事、そして冒頭にも挙げたシナリオのチープさなどから、お世辞にも映画としての出来はよろしくありません。そりゃあ、どこかの辛口批評家さんだって100点満点中30点の評価を下しますわな。アン・ハサウェイは「動きのスムーズなC−3PO」みたいな動きしかしませんしね(?)。
ティム・バートンジョニー・デップの「イカレタ世界」*3を楽しめる人ならば観ても損はないですが、それ以外の方にはオススメできないかも。チェシャ猫とか、物凄く好きなんですがね、私的には。
強いてあと一つ見所を挙げるとすれば、クリストファー・リー演じるジャバウォッキーの渋さ位でしょうか。――吹き替えだと意味無いですが。

アリス・イン・ワンダーランド オフィシャルガイドブック (ぴあMOOK)

アリス・イン・ワンダーランド オフィシャルガイドブック (ぴあMOOK)

*1:うじうじした少年少女が冒険を経て前向きな自分に目覚めると言う王道的ストーリー。悪く言えばご都合主義。

*2:吹き替えで見た人は確かに感じにくいかもしれませんが

*3:おあつらえ向きに、ジョニー・デップの役柄は「イカレタ帽子屋」だったりする。