たこわさ

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我々は9年間待った!「ファイブスター物語 13」に対するぐだぐだな感想

連載再開した時はあまりにも衝撃的な「ある仕掛け」に度肝を抜かれましたが――。

(以下ネタバレ含む。読了後のテンションに任せた乱文につきご了承を)

さて、既読の方には隠す必要もありませんが、今回から専門用語、マシンや小道具のデザイン・名称・設定の変更、更には作品の絶対基準だった「年表」まで、まるっと差し替えられてしまいました。

モーターヘッドは「ゴティックメード」に。
マイトは「ガーランド」に。
スパッドとスパイドは「ガット・ブロウ」に。

……唯一ファティマだけは別名と新機能を与えられただけで済みましたが、モーターヘッドのデザインや設定が好きだった方々にとっては茫然自失するレベルの改変だったのではないでしょうか? 少なくとも私はそうでした。

連載開始直後登場した「黒騎士」の姿に「うわ、ダサ!! どこのワラビだよこれwww」となり、そして私的ナンバー1モーターヘッドだった「シュペルター」の変わり果てた姿を目撃した段になっては「俺の、俺のシュペルターが糞ダサい悪役ロボに……!?」と絶望でちびりそうになりました(笑)。


FSS IMS 1/100スケール シュペルター・K.O.G.
※在りし日のシュペルターさんの勇姿(Amazon.co.jpより)


専門用語とか固有名詞が変わった事については「また覚えなきゃならんのか」位の印象でした。
しかし、本作の魅力はキャラクターが半分を、もう半分をモーターヘッドが担っていたと思うので、モーターヘッドという存在を抹殺してしまうとは、これまた思い切った事をしたな、と改めて。*1
しかも一部マシンを除いて総じてダサくなってるんですよね……。カイゼリンとか、フィルモア帝国系は結構格好いいんですが。Zガンダムにおけるキュベレイ位の「毒」だったら称賛の嵐だったんでしょうが、改悪じゃなぁ、といまだに思ってしまいます。

――と、マイナス面への感想はこの辺りにしておいて、以下は9年経っても変わらぬ魅力的なキャラクターとストーリーについて。

相変わらず、ダイ・グ皇帝とクリスティンを中心としたフィルモア勢と、マグダルを守りつつ逃避行を続けるヘアード、そしてカイエンを失い壊れてしまったアウクソーとそれを護るミース達、そしてちゃあが物語の中心なんですが、今回はそこに詩女(旧設定のアトール皇帝)に返り咲いたフンフトがメインキャラクターとして加わり色を添えてきます。

以前の大人の女性然とした姿とは裏腹な痴女丸出しの格好には度肝を抜かれましたが、実際には未来を担う若人達の心労を少しでも減らそうと立ち回る「大人」で一安心。でも、クリスに対してはちょっと意地悪過ぎな気もしましたが(笑)。
あれは、よほど彼女のことを気に入ったのか、もしくは逆にダイ・グに「唯一の心の伴侶」として認められている彼女に嫉妬したのかもしれませんなぁ。

詩女ラーンのフィルモア初代皇帝への恋慕が代々の詩女にも引き継がれている、というトンデモ設定も飛び出しましたし。まあ、これで「花の詩女 ゴティックメード」の主人公トリハロンがダイ・グそっくりだった理由がはっきりしましたが。

フィルモア皇帝と言えば、件の「ゴティックメード」と一部書籍で既に明かされていますが、今回初登場のジークボゥはダイ・グの後*2の皇帝になる人物の様子。生真面目で勇敢で誠実な彼ですが、フィルモア皇帝の後継者が惚れているのが天照家の後継者であるちゃあというのは何とも皮肉な話ですね。永野さん、相変わらずイケメンに対して厳しいよ!w


そのちゃあですが、当初は「家柄にそぐわないダメっ子だけれども人柄の良さから他人からは愛される」天然キャラだと思っていましたが、中々どうして、自分の置かれている状況をある程度理解した上での天然振りだった訳ですね。

クラーケンベール、自分、そしてジークボゥの三人の間で友好関係を築いた手並み自体は天然のなせる業ではあるものの、それが何をもたらすのか、実はきちんと理解しているという……。でも、自分への自信の無さから、それを誇る事も自身で正しく評価する事も出来ないというジレンマを抱えている様子。
そこら辺を解消した時、彼女はちゃあではなくワスチャに成るのかもしれません……が、天照達は口をそろえて「君のままで」とか言ってるから違うのかもしれないw

あと、何気にジークボゥの口からヨーンに対して自覚のない恋心を抱いている事が示唆されていますが……なんか、今回は自由恋愛出来ない立場の人達のコイバナが多いですなー、本当に永野は性格悪いな!w
まあ、そんな中でもクラーケンベールは我が道を行ってくれていて実に頼もしいんですが。あの似合わないひげも取れたし、私的好感度鰻登り中。自由恋愛できないカップルの代表格である(?)ダイ・グとクリスの二人の関係もどんどん悲愴になっていきそうだし。
フンフトの気遣いとレーダー陛下の親心でレーダー家の養女となったクリスですが、歴代詩女達の言葉からは彼女がこれから度重なる試練を課される事が示唆されていますし、何より彼女が大成する頃には既にダイ・グは皇帝じゃありませんから、クリス好きには胃が痛い展開が続きそうですね。

――という事で、モーターヘッドという存在の消滅自体は大きな痛手だったものの、物語やキャラクターはざっと書いただけでもこれだけ語れるという相変わらずの魅力あふれるそれでございました。一番好きなキャラであるカイエン(故人)もワンカットだけ出てきましたしw

惜しむらくはカイエンとタメはる位好きなヨーン君が出てこなかった事でしょうか。レディオス・ソープ夫妻とかいらんからそっち出してくれ!(酷*3


瞳の中のファーラウェイ

瞳の中のファーラウェイ


*1:なお、永野氏は連載開始直前に「たくさんのファンを失うかもしれない」と前振りしていたり。ファンは失わなかったけどロボ好きなファンの心は折れたよ!w

*2:次代ではないかもしれない

*3:というか、学園でプリンスと呼ばれていた面影が一切ない12巻での体たらくをみるに、本当にヨーン君は大成するのだろうか? という不安がw エストがバーシャとしての記憶を欠片も保持していない、という事実も明らかにされたし、ある程度エストの呪縛から逃れられる可能性も出て来た……いや逆かも。ちゃあさんなんとかしてーw