たこわさ

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鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST 第63話「扉の向こう側」

基本、原作厨的立場での感想です。
(以下ネタバレ)
よい「最終回」でしたね。ホーエンハイムの最期という意味において。
今までの尺で言えば今回が最終回の筈ですが、公式に64話で最終回という事が発表されていて、はて一体なんなのだろう、と思っておりましたが、こういう事だったのか!
思えば、このアニメ当初からホーエンハイムを優遇しまくっておりました。本来は登場まで晒されない筈の顔がOPで早くも晒されていたり。どんだけスタッフホーエンハイム好きなんだよ、と。
それを考慮すれば、今回「ホーエンハイムの旅の終わり」を一つの結末として独立して提示する、という構成はそれほど不自然ではないのかも。
とは言え、原作でホーエンハイムが報われた瞬間である

はは
やっと親父と呼んでもらえた

がトリシャの墓の前での独白になってしまっていたのは、ちょっと残念に感じました。絵的には非常にキレイなんですがね……。
エドに「親父」と涙を流しながら呼んでもらった時に、既にホーエンハイムは満たされていた訳ですよ! その時の困ったような、でも心底嬉しそうな笑顔が見たかったな、と。そして無事帰還したアルと彼を取り巻く人々――とりわけ親代わりとも言える先生とシグさん夫妻――を見て、もう自分の役割が終わったことを悟り、一人、ただ独り、しかし「ブリッグズ兵に金を借りる」という彼一流の飄々さを保ったまま姿を消す、という原作の極上な去り際を気に入っているだけに残念でした。
アームストロング少佐に息子達を讃えられずとも、ホーエンハイムは十分にエドとアルの事を誇りに思っているので、あのシーンも正直蛇足に感じました。
まあ、それでも今回は良い出来だったと思います。
私的には、エドが「鋼の錬金術師」になってから初めて流す涙を、あそこまで演出過剰気味にやってくれたのが嬉しかったり。そこだけでも、今までの原作レイプ振りを許せるレベルでした。
グリード最期の姿を目撃したエドの、最初の方の作画崩壊な表情の事は黙っておこうw
さて、次回はいよいよ真の最終回。丸々一話使えるだけに、蛇足な部分が増えていないか心配ですが、まあ今回のクオリティを保ってくれれば大丈夫か。