たこわさ

アニメやゲーム、映画・本などのレビュー・感想・情報を中心にお送りする雑多ブログ。

鋼の錬金術師 第27話「狭間の宴」

あー、本当にもう次回から観るの止めようか。
(以下ネタバレ)
総集編でございます。
まあ、通年のアニメの場合、総集編が何回か入るのは珍しくないんですがね、何故わざわざ原作レイプするかと!(怒
そもそも、アルが「お父様」のことを見て「父さん……?」となる件は、読者も一緒に「え? やっぱりホーエンハイムなの?」となるように演出されている場面な訳ですよ。で、注意深く伏線を拾っている人には、ホーエンハイムがリゼンブールを後にして駅馬車に乗っている描写から、「セントラルに向かっていない=お父様ではない?」と予想できるようになっていたのですよ、原作では。
それが、アニメではホーエンハイム駅馬車に乗る描写はカットされているし、今回の総集編でかなりはっきりと「ホーエンハイム≠お父様」であることを描写してしまったので、次回「お父様」の口からはっきりと別人である事が示唆された時に原作読者が得ていたであろう「安心感」*1を、アニメだけ観ている人々は共有できなくなってしまった訳で。
つーかそもそも、ホーエンハイムは彼の抱える様々な葛藤とは、愛する妻子を置いて「約束」を果たすために旅立った時に決別している訳で。トリシャが死んでしまったからといって、彼の「目的」を目指す姿勢は全く変わらないわけで。なんでわざわざ「ホーエンハイムの暗黒面」みたいな描写をアニメでやってしまったのか、全く意味が分かりません。
そもそも、1クール目でかなり大事なエピソードをカットしていたり、マスタング大佐やアルの人柄を端的に表した名台詞*2をカットしていたりと、色々と原作の良い部分を捨ててきている訳ですよ、今回のアニメは。捨てておきながらこんな原作レイプなオリジナル要素を入れてくるなんて、どこが「原作準拠」なのやら。
基本的にこのアニメ、作画・演出については(多少の乱れはあるものの)かなりハイレベルなものなんじゃないかと思います。思いますが、原作の上辺だけなぞった脚本については、ここ数年の原作付きアニメの中でも最低レベル*3になってしまっていると、思わずにいられません。

*1:エドとアルの父親は悪い人じゃなかった、良かった! という感情。

*2:以前の感想でも触れた「中尉! 生きてて良かった」や「それ以上は僕がブチ切れる!」

*3:原作と全く話が違うものは除く。