今回の満足度:5点(5点満点中)
(以下ネタバレ)
あらすじ
かつては祓い屋として隆盛を誇りながらも、段々と力を失い廃業してしまった名取家。名取周一はそこに久々に生まれた「妖怪の見える」後継者だった。だが、才能ある後継者が生まれたことを名取家の人々は喜ぶどころか異質な存在として疎み、名取は鬱屈した日々を送っていた。
そんな名取に転機が訪れたのは高校生の時だった。名取家に大恩あるという血筋の祓い屋が尋ねてきた事をきっかけに、名取は祓い屋達の集いがある事を知り、興味本位半分、自分の「同類」が見付かるのではないかという希望半分でその集いに潜り込むことに。そこで名取は、若き日の的場と出会い――。
感想
まさかの丸々一話、名取と的場の過去話。
名取は最初期の頃は比較的融通のきかないキャラクターだったが、あのような環境で育ったのならばそれもやむなし、といった所か。夏目と違い、妖怪の存在を知っている一族に生まれながら、むしろその中で異質であることで名取の孤独が深まってしまったというのは何とも皮肉。夏目との大きな違いは、名取は孤独を深めながらも自己肯定の方向へと進んでいったという所か。
一方の的場は……少年の頃から的場であり逆に安心してしまった(笑)。名取とは腐れ縁ではあるが、二人の間に友情が成立しない理由がよくわかった。
名取のある意味師匠ポジションなタクマは、曲者の多い祓い屋勢の中では数少ない癒し系に見える。何だか意味ありげに登場した彼の娘らしき人物が少々気になるが、今後への伏線だろうか?