たこわさ

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響け!ユーフォニアム 第五回「ただいまフェスティバル」感想

原作未読。
(以下ネタバレ)

あらすじ

サンライズフェスティバルの練習が始まった。楽器だけではなく動きも伴うマーチングの練習に苦戦する部員達だったが、先日の合奏以来バラバラな雰囲気になるようなことはなく、一体感を持って臨む事が出来ていた。熱心な練習は、夕方過ぎまで続く事もあった。
帰りの電車の中で、久美子はいつもの自転車ではなく電車で下校途中の高坂と鉢合わせる。相変わらず彼女への接し方が分からず動揺しながらも真摯な受け答えをしようと頑張る久美子。高坂はそんな彼女の言動に対して「黄前さんらしい」と微笑みを返してくる。その笑みの意味を測りかねる久美子だったが、何故か少しだけ嬉しさを感じる。

サンライズフェスティバル当日、強豪ひしめく状況に緊張のあまり硬くなってしまう部員達。だがその時、高坂が突然トランペットを吹き始め――。

感想

京アニの作法の一つに、普段はあまりコミカルな描写をしないでここぞという時に挿入してくる、というものがあります。本作で言えば、葉月に対する描写がそれにあたるでしょうか。そして今回もナイスタイミングでそういったコミカルな描写をしてきましたね……副部長のバストが何故か乳袋に変貌して揺れるという!(ぉ
まあ、あれは多分「久美子にはそう見えた」という意味なんでしょうが、あまりの強調ぶりに失笑してしまいました。しかし、副部長は普段から他の部員達よりも扇情的に描かれているような気がしますね。ボンキュボーンが強調されているしなんだか作画も気合いが入っているようなw あと、ポニテ副部長は最高だと思います。あれだけでご飯三杯はいける(?)。

さて、先ごろまで演奏もばらばらだった部でいきなりマーチングとか難易度高くないか? などと思ったものの、逆に滝先生の意図はそこにあったのではないかな、と。突き放したうえで課題を与えて自分への反抗心からくる連帯感を育てる、一転して丁寧な指導をして力量の底上げを図る、強豪校ひしめく中で自信を失いかけ無根拠な自尊心を拭い去った上で彼女らが自信を持てるような一言で背中を押してあげる。策士ですなー。

その滝先生を尊敬(以上かもしれないが)している高坂さんのナイスフォローも見事。あえて非常識ともとれる行動をとってみんなの緊張がほぐれるように誘導するとか、中々肝が据わっています。
あと、高坂さんが久美子とのやり取りでも見せた笑顔ですが、やっぱり彼女、久美子に対して含むところは無くて、むしろ好意的なのではないかな、と思ってしまいます。久美子は中学の時の発言で彼女を傷付けてしまったor怒らせてしまったと思っていますが、むしろ高坂さんにとってはあの言葉は福音だったのではないかな、と。「本気で全国に行けると思ってたの?」と久美子が思わず言ってしまったという事は、他の部員には全くそんな想いはなかったという事になり、つまるところ高坂さんも他の部員を焚き付ける努力をしていなかった、という事にも繋がり……。つまり彼女が時折見せる他の部員に刺激を与えるような行動は、自分だけが頑張るのではなく周囲に良い影響を与えるような役割を担おう、という彼女の決意の表れなのではないでしょうか。常にツンケンしつつ冷たいような素振りを見せる割には、やる気のない部全体の雰囲気に耐えきれず思わず誰もいない所で*1空に向かって叫ぶとか、情熱を燃やし、その一方で年相応の弱さと戦っている彼女の心根をよく表した行動なのかもしれません。

さて、フェスティバルでの演目ですが……「ライディーン」、実にいいですね! 言うまでもなくYMOの有名ナンバーですが、他の学校がある種伝統的なマーチングに沿った曲を選択してくるところを、あえてキャッチ―でポップな楽曲を持ってきて注目を集める……ここでも滝先生の策士ぶりに痺れますね。

なお、同曲は私が小学生の頃、音楽の授業での合奏の為にしこたま練習した曲だったりします。もちろん、吹奏楽ではなくリコーダーやらピアニカやらアコーディオンやらマリンバやらによる合奏なので劇中のものとは全く趣は異なりますが、やはり曲自体への愛着というのは変わらないもので、それなりに感情移入して聞いてしまったり。

*1:久美子達にはバレバレだったでしょうが