たこわさ

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アルスラーン戦記 第四章「厭世の軍師」感想

原作は遥か記憶の彼方……。漫画版は流し読み程度。なので、原作知識は踏まえない感想となります。
(以下ネタバレ)

あらすじ

戦場から逃れたアルスラーン達は、ダリューンの友人ナルサスを頼る。ナルサスは彼らを歓待するも、ダリューンの「アルスラーン殿下に仕えてほしい」という頼みには難色を示す。
かつては王宮に仕えていたナルサス。知略でもってパルス王国の危機を救った事もある彼だったが、武力一辺倒のアンドラゴラス王とは反りが合わず、様々な助言をするも逆にそれが王の反感を買い、王宮を追放されてしまった、という過去を持っていた。また、ナルサスの従者であり解放奴隷の両親を持つエラムも、王族への反感からか、アルスラーンに対してあまりいい顔をしない。
しかし、ダリューンナルサスを状況に巻き込むために既に策を打っていた。ナルサスの住処に辿り着くまでに、わざと敵に追跡されやすい道を選んでいたのだ。ダリューンの目論見通り、カーラーン配下の追手の兵達がナルサスのもとへとやってくる。身を隠したアルスラーン達の事についてしらを切り通すナルサス。埒が明かないと感じた兵達は、今度はナルサスを自軍に引き入れようと甘言を弄す。それに対し、ナルサスカーラーンの非道を糾弾した上で、挑発的な言葉を使いそれを拒否する。激昂する兵達はナルサスに襲い掛かるが――。


感想

ナルサスの絵はどれだけ下手なのか観てみたいものですが、アルスラーンがショックを受けるほどですから観ない方が精神衛生上よろしいのかも。

「子曰く、兵は詭道なり」ではありませんが、ナルサスは戦術よりも戦略に優れたタイプの軍師なようですが、寡兵というのにも少なすぎる、四人だけというアルスラーン陣営をどのように勝利に導いていくのか……。

ヴァフリーズの死を知って涙を流すアルスラーンの姿は、一軍を率いる王としてはふさわしくないものかもしれません。ですが、父王アンドラゴラス三世が部下にはその武力のみが信頼されており、敗走が知れ渡った時には兵だけではなく将軍たちまでもそれを信じ込んで、ある者は早々に反旗を翻そうとするなど、人望があった訳ではないので、むしろそれとは好対照の王となる資質を持ち合わせているとも言えるわけで。

策士であるナルサスをあっけにとらせるような冴えた奇策がパッと出てくる辺り、真実を見抜く目については十分期待できるところでしょう。