天体のメソッド　第5話「光の花」感想

（以下ネタバレ）

あらすじ

柚季との仲直りの方法を模索する乃々香は、七年前に「花火をみんなで一緒に見よう」と約束しながら果たせなかった過去を思い出す。湖で花火を上げそれを皆で見れば、あの頃のように一緒にいられるようになるのではないか――そんな想いを胸に花火を実現しようと行動する乃々香だったが、円盤のせいで街からは許可が降りず――。

感想

頼りない印象だった乃々香ですが、次第にその芯の強さとか行動的なところだとかが目立つようになってきましたね。元々、母親が亡くなってからだらしない父親を支えてきたようですから、第一話の時の余裕のなさは、母親との思い出を否応なしに突き付けられてしまう霧弥湖町へやってきた憂鬱さからだったのでしょう。

一方、柚季が円盤を――ひいては乃々香を拒絶する理由はやはり兄・湊太への想いに由来するものだったようです。一人でこっそりと花火をしに出かけた柚季を心配して、夜の町探し回った湊太が、思わぬアクシデントから足を酷く怪我してしまった――自分のせいだ、と思った柚季はしかし同時に自分のせいで湊太が怪我したとは信じたくなくて、遠因となった円盤に、そして円盤を呼び寄せた要となった乃々香に責任を転嫁した。

柚季も実際に悪いのは自分だ、というのは思い知っていたでしょうし、湊太が自分を恨んだりしていないという事も分かっていたでしょう。だからこそ彼女は自分を許せなくて、ますます円盤への責任転嫁を止められなくなっていった、というのが真相のようで。

だから、自分の為に――口では自分が楽しみたいから、などと言ったけれどもきっかけはやっぱり他人のために――などと言って湖畔でのささやかなショーを実現した乃々香の真っ直ぐな態度に、自分自身で負い目を背負い込んでしかもそれを他人に転嫁するようなみっともない真似はやめよう、と素直な態度をとるようになったのですね。
そしてそんな彼女達を祝福するように円盤が映し出す幻の花火……ノエルの仕業なのは明らかですが、果たして乃々香達がそれを認識しているのかどうか。

汐音は未だに合流出来ていませんが、柚季よりも頑なな彼女の心を解きほぐす鍵はやはりノエルか。ノエルに預けられた乃々香のアルバムもキーアイテムになりそう。