たこわさ

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Fate/stay night [Unlimited Blade Works] #03「初戦」感想

原作プレイ済み。ディーン版及びFate/Zero視聴済み。
(以下ネタバレ)
言峰教会からの帰り道、士郎と凜はイリヤと名乗る少女と彼女のサーヴァント・バーサーカーの襲撃を受ける。バーサーカーの圧倒的戦闘力を前に、アーチャーを遠方からの援護に、セイバーを前衛にと図らずも共闘する形になった凛達だったが、アーチャーの強力な弓の一撃もセイバーの斬撃もバーサーカーにダメージを与える事が出来ずにいた。不利を悟った凜はマスターであるイリヤを狙うが、人間離れしたイリヤの戦闘能力を目の当たりにし、「マスターを狙う」という聖杯戦争のセオリーがイリヤ達には通用しない事を思い知る。一方、何も出来ずにいた士郎は、セイバーとの「共に戦う」という約束を思い出し、震える膝を奮い立たせ戦場に駆け付ける。士郎の見守る中、セイバーの乾坤一擲の突きがバーサーカーの半身を粉砕、勝負は付いたかに見えたが――。
旧ディーン版では、セイバーの立体的な戦術は見事に描いていたものの、バーサーカーがただの鈍重パワー型のように見えてしまって全然強そうじゃなかったのですが、今回は原作で描かれた「絶望が意志を持って襲い掛かってくる」ようなバーサーカーの強さがしっかりと表現されていたと感じました。ランサー戦のようにコマ送りしても見えない程の神速の応酬には流石に劣るものの、それでも凄まじい速度で繰り出される一撃一撃が全て必殺の一撃である事が伺える力強さをしっかり描けていたのではないかな、と。

イリヤの演技もいつもの「無邪気な狂気」ではなく、もっと「冷たく冷酷な無邪気」という感じの抑え気味な感じでぞくぞくしましたね。プリズマ☆イリヤの影響を受けないようにあえて冷たく突き放した感じに徹したのかもしれませんが、今までのアニメ版イリヤの中で最も原作イメージと重なるイリヤでございました!

バーサーカーの再生能力の描写も良かった! セイバーの切り札その1「風王鉄槌(ストライクエア)」*1により体に大穴が空けられたバーサーカーが、恐るべき速さで再生しじわじわと動き出すその不気味さといったら……。

アーチャーの必殺の一撃も凄かった! まさか小規模とはいえきのこ雲的なものを発生させるほどの威力として描かれるとは……。ちなみに、もしかたら次回以降もしくはBlu-rayエディションで語られるかもしれませんが、アーチャーの一撃はセイバーの「風王鉄槌」よりも遥かに威力があって、バーサーカーには効かなかったのではなく、全力で防御(迎撃)されたのでバーサーカーは無傷だった*2、という事だったりします。なので、現時点で実力の分かっているセイバーよりも、バーサーカーが直撃を避けなければいけない程の一撃を繰り出せるアーチャーと言う正体不明の存在を、イリヤは警戒したわけですね。

また、凛とイリヤの魔法戦というアニメオリジナル要素も実に秀逸でした。あまりにも化け物じみたイリヤの戦闘力の秘密は、多分どこかで語られる――というか説明がなければ凜がただの咬ませ犬状態w――と思いますが、原作ネタバレにならない程度に言うと、凛が汎用機ならばイリヤは専用機というか、そんな違いが今回の戦闘の結果にダイレクトに反映された訳だったり。
しかし、イリヤが操った魔術がアイリスフィールのそれの発展版だというのが何とも泣かせるオリジナル設定ですね……。もちろん、アイリさんの魔術は常識外れなソレではなく、優秀な魔術師レベルだった訳ですが。
そして、アインツベルンという名前とイリヤの容姿に反応するセイバーの描写も、Fate/Zero視聴者へのサービス満点なオリジナル要素。ただ、イリヤのあの外見からセイバーは彼女がアイリの娘だとは気付かない訳で*3、悲しくもある場面でございました。

さてさて、士郎がディーン版で描かれた所謂セイバールートとは違って、人並みにビビッて足が震えたり、凛を論破したり、アーチャーの奇襲にいち早く気付いてセイバーを救ったりと、ここまでのところ実に有能な働きぶりを見せてくれていますが、彼の本領発揮はここからです! 旧シリーズのせいで士郎が嫌いな方も、彼への評価がガラリと変わってくるはずですので、是非とも温かく見守っていただきたい次第。

ヒロインたる凛は今回も可愛かったですね。特にイリヤに追い詰められて崖下にみっともないポーズで落ちた所とか、士郎の腕を極めた所とか!(あれ?

今回もBlu-rayはBOXでのリリースという事で、マラソンするより手を出しやすくて助かります。

*1:セイバーの剣を覆い隠す風の結界の全パワーを衝撃として打ち出す技。その為、一時的に剣が丸見えになる。

*2:もしかしたら一回くらい死んでるかもしれませんが。

*3:Fate/Zeroで描かれたイリヤの外見年齢から逆算して今の姿のままのはずはないという常識的な考えからセイバーはイリヤの正体に気付かなかった、とは原作者談。