たこわさ

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グラスリップ 第11話「ピアノ」感想

(以下、ネタバレ)
「未来の欠片」の通りにキスを交わす駆と透子。お互いに気持ちを通じ合えつつも、駆は自分が利己的な欲求に突き動かされているのではないかという不安に、透子は未だに消えない雪が降りしきる光景に、それぞれ恐れを抱いたままだった。それを振り払うかのように夜の校舎で二人だけの密かな夜を過ごし、翌日には家族ぐるみのささやかな交流をの時を送った駆と透子だったが、駆が意外な事を言い出し――。

幸と祐、雪哉とやなぎは不器用ながらもお互いの在り方を模索。幸と祐については、幸が自分の偽らざる気持ちを素直に口にする事で、お互いに確かな信頼関係を築きつつあるようで。雪哉とやなぎについては……元の鞘に収まったようでいてやっぱりどこかでぎこちなさが残っている様子。一番の変化は雪哉がやなぎの事を一人の女の事として意識するようになった、という所でしょうか? もちろん、それが恋愛感情に変化するようなものなのかはまだ未知数ですが。

さて、他の二組が急がず焦らず前に進もうとしているのに対し、どこか焦りのような感情が見え隠れする駆と透子。二人の場合、「未来の欠片」という正体不明の現象に振り回されている所が大きいのでしょうが、それ以上に厄介なのが駆が抱えている「唐突な当たり前の孤独」。透子と心を通わせた、彼女への想いを自覚したはずの駆が、それでも母親の演奏旅行についていこうか迷っているのは、おそらく透子を愛しく想えば思う程に、いつか訪れる孤独感が大きくなってしまうのではないかという不安からなのでしょうね。
透子と自分がいかに想い合っていても、彼女との世界を全て共有する事は出来ない。いつか思い知るだろう彼女の世界と自分との世界との隔絶。自分自身の居場所を持たない駆だからこその不安。透子は、それを晴らしてあげる事が出来るのでしょうか?

しかし、「未来の欠片」が示す降りしきる雪の意味が何なのかはさっぱりわかりませんな……。