たこわさ

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エスカ&ロジーのアトリエ 第十話「あきらめないで!」感想

原作ゲーム未プレイ。
(以下ネタバレ)
中央を出し抜き未踏遺跡を調査する決意を固めたコルセイト支部の面々。遺跡への到達方法として、アウィンから整備班が秘密裏に建造中の飛行船を使う案が出される。だが、建造中の飛行船を見たロジーから、欠点を指摘されてしまう。あまりにも的確な指摘に不思議がるエスカ達。実は、ロジーはかつて中央で飛行船の研究をしていて――。

ロジーのかつての夢と挫折の過去が明かされるお話でした。まさか、同じエピソードの中で再起まで描かれるとは思いませんでしたがw
若くして飛行船開発というエリートコースを歩んでいたロジーが、他人(計画の整備士達)を見下し自分ひとりの力で開発を行った結果、本当に何でもない――チーム内の連携が普通に取れていれば起こりえなかった連絡ミスで大事故を起こしてしまった。更にはその事故で飛行士だった友人に大怪我を負わせてしまい再起不能にしてしまった、彼の夢を奪ってしまったという、取り返しのつかない失敗。
正直、ややリアリストでありながらもエスカの無茶を優しくサポートしてきたロジーの姿からは、独断専行で自分勝手なかつての彼を感じる事はありませんでしたが、逆に言えばその事故はロジーにとってそれだけショックな出来事だったのでしょう。
そして、そんな彼がドロップアウトした先で出会ったのが、思い立ったらまず行動、行く先々で騒動を起こしながらもそこで知り合った人々と助け合い、結果的に困難を乗り越えてしまう錬金術そのものみたいな少女・エスカだったというのは、奇跡以外の何物でもないのでしょうね。
ロジー君のトラウマも、エスカの涙には敵わない。自分の夢を守ってくれたように、ロジー自身の夢も諦めないでほしい、ロジーがいなければ自分は何にも出来ない――そんなエスカの飾りの無い言葉が、ロジーにどれほど勇気を与えた事か。でもエスカさん、そこは「仲間」じゃなくて他の言葉が良かったんじゃないか?(笑)まあ、多分その後の「それに、ロジーさんはロジーさんですから……」という言葉に色んな意味が込められているのでしょうが、多分。
閑話休題――。
ロジーの決意があれば、あとは実際に動くだけ。整備班は飛行船本体の完成を急ぎ、リンカやウィルベル達の力を借りて集めた希少な材料をロジーとエスカが精製して補強材や動力部の開発を――。そしてあれよあれよという間に飛行船が完成! まあ、作中ではあっという間に出来たように見えますが、実際には結構日にちが経っているのでしょうね。この辺り、季節感の無い舞台設計は不利だよな、と思ったり。
最後にロジー宛に届いた、親友からの手紙の一文が秀逸。実はミーチェが手紙の内容を知っていてあえてロジーに渡してなかったんじゃなかろうか、とか思ったりもしちゃったんですがソレは流石に邪推が過ぎるというものでしょうか?

しかし、今回のエンドカード、違和感なさ過ぎて凄い。そういえば原作イラストもウィルベルだけワダアルコさんっぽいタッチだよなぁ、と。